ジェトロ、ジャパン・キャリア・プロモーション・フォーラムをベトナム向けに初開催
(ベトナム、日本)
ハノイ発
2025年11月10日
ジェトロは10月17日、海外の学生に日本で働く魅力を発信するオンラインイベント「ジャパン・キャリア・プロモーション・フォーラム(JCPF)」を、ベトナム向けに、ベトナム語で初めて開催した。このイベントシリーズは高度外国人材呼び込みを目的に、2022年から行い、インド(2024年7月23日記事参照)やスリランカ(2024年12月12日記事参照)などでの開催実績もある。
イベントは現地の大学や大使館などを通じて広報され、当日はベトナム人学生を中心に397人がオンラインで参加した。個人視聴に加え、教育機関が視聴会場を設ける動きもみられた。協力機関の1つのダナン大学傘下の外国語大学では、学内の講堂で配信を行い、168人の学生が会場で視聴した。終了後には10月31日までの2週間、アーカイブ配信が行われ、累計視聴回数は936回に達した。
ダナン大学傘下の外国語大学で聴講する学生たち(大学提供)
イベントには、ベトナム人の先輩として日本で8年以上の就業経験を持つ三友精機(本社:群馬県高崎市)のボー・ホアン・ロン氏や、日本留学を経て就職活動を行った経験を持つタケウチ建設(本社:広島県三原市)のグエン・ティ・トゥ・チュイ氏、ベトナム人のキャリア形成を支援するVietnamese Professionals in Japan(注)に所属するチアン・チオン・ヒエウ氏の3人が登壇し、自身の経験や日本での生活について語った。
パネルディスカッションで、ロン氏は「報・連・相(毎朝の進捗報告、問題発生時の迅速な連絡、解決策を上司と相談)を守ることで、チーム全体の仕事が円滑に動く」と、日本の企業文化について話した。チュイ氏は「日本の企業文化で大切なことは時間厳守と期日管理だ」と指摘した。ヒエウ氏は「日本の良い点を柔軟に吸収し、ベトナムとの違いを冷静に受け止める。その姿勢があれば、言語やスキルの習得が自然と次のステップにつながる」として、日本での就業を目指すベトナム人学生にメッセージを送った。
フォーラムに登壇した(左から)チュイ氏、ロン氏、ヒエウ氏(ジェトロ撮影)
質疑応答のセッションでは、日本でのインターンシップの機会や大学院進学、日本で働く際に語学(日本語能力)以外で必要となるスキルに関してなどの実務的な質問が学生から複数寄せられた。
今後もジェトロは海外の高度外国人材に向けて、日本での就職や生活に関する情報発信を継続していく。
(注)日本で働くベトナム高度人材を中心に活動する非営利法人。ジェトロ、ベトナム人留学生と日本企業の交流イベント「未来トーク」を開催した(2024年12月6日記事参照)。
(ファム・ティ・スアン・ズン、吉武果実)
(ベトナム、日本)
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