第9回未来投資イニシアチブ(FII)、AIが牽引する世界経済など議論
(サウジアラビア)
リヤド発
2025年11月10日
第9回未来投資イニシアチブ(FII)が10月28~30日、サウジアラビアの首都リヤドで開催された。今回は「繁栄へのカギ:成長の新境地を切り開く」と題し、各分野の政府関係者や経営陣など650人以上の講演者、60カ国以上から9,000人超が参加した。人工知能(AI)とロボティクスによる生産性や、資源不足がもたらす地経学的な影響、経済成長と持続可能な環境との調和を図る戦略などについて議論した。AIが牽引する世界経済へのシフトを反映し、講演者の半数以上がテクノロジー分野から参加したという。
同国の公的投資基金(PIF)総裁で、サウジアラムコ会長、FII研究所会長を務めるヤシル・オスマン・アール・ルマイヤン氏が開会宣言をした。同氏は、前回の会合(2024年11月5日記事参照)以降の急速な変化を認め、「投資家や企業が新たな経済的現実と急速な技術変革に直面している」と指摘した。また、「この段階まで押し上げた旧来モデルは、その変化に追いつけなくなっている」と主張し、「政府だけでは軌道修正できず、民間部門だけではその負担を負いきれないため、政府と民間部門が真のパートナーとして協力し、新たな繁栄の時代に対応する新モデルと国際協力が必要だ」と述べた。
10月29日付サウジアラビア国営通信(SPA)によると、今回のイベント中、FII研究所と2030年リヤド万博は長期戦略的パートナーシップを発表した。リヤド万博運営機関(ERC)のタラル・アルマリ最高経営責任者(CEO)は「この提携は、2030年リヤド万博をイノベーション、協働、持続可能な開発のグローバルハブとして位置付ける取り組みで重要な節目となる。先見の明を持つ人材をつなぎ、画期的なアイデアを育み、次世代のためのより良い未来を形作る意義ある機会をともに創出していく」と述べた。また、リヤド市北西部の大規模開発計画ニュー・ムラッバ・プロジェクト
の象徴的なランドマークである巨大建築物ムカーブの主導設計コンサルティングサービス(LDC)や、その最初の住宅コミュニティー向け同サービスを含む主要契約の発表も行われた。
未来投資イニシアチブの会合(ジェトロ撮影)
(平田若菜)
(サウジアラビア)
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