COP30閣僚級会合が開催、脱化石燃料化が主要課題に

(世界、ブラジル)

サンパウロ発

2025年11月25日

ブラジル北東部のベレン市で11月17~18日、国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の閣僚級会合(ハイレベルセグメント)が開催された。約160カ国の閣僚や政府高官が参加し、各国の立場を表明した。

議長国ブラジルのジェラウド・アルキミン副大統領兼開発商工サービス相は「目標を議論するのではなく、達成する行動が必要」と強調。また、ブラジルのマリーナ・シルバ環境・気候変動相は、脱化石燃料化に向けたロードマップ(注)のような、明確な計画の必要性を訴えた。これに対し、ドイツのカーステン・シュナイダー環境・気候保護・自然保護・原子力安全相やノルウェーのアンドレアス・ビェラン・エリクセン気候・環境相なども同様の立場を示した。

ブラジルは11月18日、COP30の合意文書草案を公表し、こうしたロードマップ策定に向けた閣僚級会合の開催を提案した。しかし、現地経済誌「ベージャ」(11月18日付)によると、サウジアラビア、ロシア、イランは脱化石燃料化を正式な合意事項とすることに反対している。一方、現地紙「グローボ」(11月20日付)によれば、コロンビア、ドイツ、フランスなど約30カ国は11月20日、ロードマップを含まない文書は支持できない、とブラジルに声明を提出した。

ブラジルは11月21日、ロードマップ関連の文言を削除した修正版を提示したが、声明を提出した国から批判が相次いでいる。なぜなら、脱化石燃料化はCOP30の主要争点となっているからだ(11月20日付現地紙「グローボ」)。

(注)脱化石燃料化の実現に向けた目標、日程、政策案などを設定する行程表。

(エルナニ・オダ)

(世界、ブラジル)

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