バングラデシュ・パキスタン関係が急速に改善、経済関係強化に期待
(バングラデシュ、パキスタン)
ダッカ発
2025年11月10日
バングラデシュの首都ダッカで10月27日、第9回バングラデシュ・パキスタン共同経済委員会が開催された。委員会は9回目だが、前回の2005年以来、実に20年ぶりの開催となった。バングラデシュ側はサレフ・ウディン・アフメド財務省担当顧問、パキスタン側はエネルギー省のアリ・ペルバイズ・マリク石油相が代表を務めた。
両国は委員会に先立ち、ハラール食品の貿易に関する覚書に署名した。バングラデシュ基準検査機関(BSTI)の認証を受けたハラール製品がパキスタンで追加検査なしで受け入れられ、パキスタン・ハラール認証機関(PHA)の認証を受けた製品も同様の扱いを受けることになる。また、繊維分野における合弁投資の促進にも合意した。バングラデシュの多くの衣料品工場がパキスタンからデニムなどの生地を輸入しており、世界的なファッションブランドの中には、パキスタンの生地サプライヤーを発注先に指名するケースが多いことを踏まえ、このような協力の奨励による輸入量の拡大を図ることで一致した。さらに、両国は連結性の強化を目的に、空と海の両方において直行便の運航を推進し、バングラデシュ海運公社とパキスタン海運公社の間では海事協力に関する共同作業部会を設立することで合意した。
上記委員会のように、バングラデシュとパキスタンの関係は急速に改善している。パキスタンのムハンマド・イスハーク・ダール外相が8月24日にダッカでモハンマド・トウヒド・ホセン外務省担当顧問と会談したのは、パキスタン外相による2012年以来のバングラデシュ訪問となった。ムハンマド・ユヌス首席顧問は9月24日、国連総会に出席するため訪問した米国ニューヨークでパキスタンのシャバズ・シャリフ首相と会談し、貿易や投資、地域協力の見通しを含む幅広い課題について話し合った。今回の委員会の開催直前となる10月25日には、パキスタン軍のサヒール・シャムシャド・ミルザ統合参謀本部議長がバングラデシュを訪れ、ユヌス首席顧問への表敬訪問などを行った。
(片岡一生)
(バングラデシュ、パキスタン)
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