米ウェイモ、高速道路での完全無人走行を開始

(米国)

サンフランシスコ発

2025年11月25日

米国の自動運転開発企業のウェイモは11月12日、カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリア、同州ロサンゼルス、アリゾナ州フェニックスの3都市で、高速道路を含む完全無人走行を開始したと発表した。高速道路を利用することで乗車時間が短縮され、サンフランシスコ〜サンノゼ間など広域都市圏での移動時間が最大50%短縮される見込みだ。さらに空港アクセスの利便性向上も期待される。

同社はサンフランシスコ・ベイエリア全域の営業区域を拡張し、サンフランシスコ〜サンノゼまでの260平方マイル(約670平方キロメートル)の一体運行を開始した。これに伴い、サンノゼ・ミネタ国際空港(SJC)での完全無人の車両乗降場での乗降が可能となったほか、サンフランシスコ国際空港(SFO)でもテスト走行を進めている。

ウェイモのドミトリ・ドルゴフ共同最高経営責任者(CEO)は、「高速道路運転は簡単に見えて、完全自動化では最も難しい領域の1つだ」と述べ、安全性確保を最優先に開発を進めてきたと強調した。同社は実走行データに加え、クローズドコースの試験施設内で、転倒車両、車線をすり抜けるバイクなどの危険なシナリオを再現したほか、シミュレーションで希少事象も繰り返し学習させた。さらに、車両には主要コンピュータおよびセンサーの二重化(冗長化)システムを搭載し、もし一方がダウンしてもバックアップシステムが制御を引き継ぎ、自動的に出口に向かうなど安全手順を備えている。

ウェイモは今後、ジョージア州アトランタ、テキサス州オースティンなど他都市への高速道路走行サービスを順次展開する予定だ。

(松井美樹)

(米国)

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