日立チャネルソリューションズ、ベンガルール工場で開設10周年イベント開催

(インド)

ベンガルール発

2025年11月12日

日立ターミナルソリューションズ(インド)(Hitachi Terminal Solutions India)は10月14日、インド南部のベンガルール工場で開設10周年式典を行った。同社は日立チャネルソリューションズの100%子会社で、2015年10月に設立され、現在はインド国内と輸出向けのATM、紙幣を識別する紙幣モジュールの組み立てなどを行っている。

インドのATMは現金引き出し専用のキャッシュディスペンサー(CD)から、日本で日常的に利用されている現金の引き出しと預け入れの両方が可能な紙幣還流式ATM(CRM:Cash Recycling Machine)への切り替え需要が拡大している。日立ターミナルソリューションズ(インド)の2025年3月時点の従業員数は約1,000人、月産3,000台に上る生産能力があり、CRMの生産に強みを持っている。出荷先はインド国内が中心だが、グローバル市場の開拓により、東南アジアや中東、アフリカ、欧州などへの輸出も増加している。近年、中国からインドに紙幣モジュール生産を集約し、インド工場からグローバル市場に製品を供給する体制を構築している。

2016年11月にはインド国内で高額紙幣の廃止が突如発表されて(2016年11月10日記事参照)、ATMの出荷が一時的にストップし、その後も新型コロナウイルスのパンデミックによる生産停滞など、これまでさまざまな困難に直面してきたが、この10年間で生産台数は10倍以上に拡大した。日立ターミナルソリューションズ(インド)はインド人の社長を筆頭に、生産・設計部門に日本人駐在員3人を配置し、各部門のヘッドはインド人マネジャーが務めている。また、インド政府が推進する「メーク・イン・インディア」を積極的に推進し、インドのATMメーカーとして初めて現地化率クラス1(現地化率50%以上)を取得し、インド国営銀行入札案件の優位性も獲得している。

日立チャネルソリューションズの八木鉄也社長は今回の式典で、「日立グループ会社、パートナー各社、そして日立ターミナルソリューションズ(インド)の従業員の献身と優れた貢献により、この日を迎えることができたことに感謝する。これからも情熱を持ち、目的を共有し、団結してともに前進し続けよう」と祝辞を述べた。

また、日立チャネルソリューションズ・モノづくり戦略センタ・生産企画部の髙田達治部長は「インドのローコストオペレーションと日本流の顧客ニーズに応じたきめ細かな対応、これらをハイブリッドで対応できるのがわれわれの強みだ。今後は、インド生産に関心を持つ日本の企業や団体の皆さまに工場に来て、われわれの10年間の成果を見てもらうことで、インドにおける存在感を高めていきたい」と語り、今後のインドの金融インフラへの貢献とグローバル生産拠点として、さらなる発展に期待を込めた。

写真 式典で祝辞を述べる日立チャネルソリューションズの八木社長(同社提供)

式典で祝辞を述べる日立チャネルソリューションズの八木社長(同社提供)

写真 式典の様子(日立チャネルソリューションズ提供)

式典の様子(日立チャネルソリューションズ提供)

(水谷俊博)

(インド)

ビジネス短信 18a74d2f786e4060