2040年までの自動車技術ロードマップ発表、2040年には新エネ車の割合80%以上に

(中国)

武漢発

2025年11月18日

中国自動車エンジニアリング学会は10月22日、「省エネルギー・新エネルギー車(NEV)技術ロードマップ3.0」を発表した。政府の工業情報化部の指導の下、同学会が中心となり作成したもので、政府の意向が一定程度反映されているとみられる。

ロードマップでは、自動車産業のグリーン低炭素化、スマートコネクテッド化、スマート製造への変革、それに伴う産業イノベーションチェーンとバリューチェーン、産業チェーンの再構築という背景を踏まえ、2040年を見据えた新型自動車産業エコシステムの構築に向けたトップレベルの設計と行動計画を提示している。

2040年に向けた6大総体技術目標として、次の項目を掲げた。

  1. 国家目標に先立って、自動車産業の二酸化炭素(CO2)排出総量を2028年ごろにピーク値に到達させ、2040年までにピーク値から60%以上削減させる。
  2. NEVの市場浸透率を2040年までに80%以上とし、自動車産業の全面的な電動化を加速させる。
  3. 自動車・道路・クラウド一体型のスマートコネクテッドカーの基盤インフラのエコシステムを成熟・健全化し、高度な自動運転車を大規模に実用化する。
  4. 教育と科学技術、人材の協調的な融合発展を実現し、中国が世界の自動車技術でオリジナルなイノベーションの発信地となり、科学技術で世界をリードする。
  5. データ駆動型で、協調的、効率的、強靭(きょうじん)で安全、低炭素で持続可能な現代的な自動車産業クラスターを構築し、ハイエンド化、スマート化、グリーン化の発展を実現する。
  6. 中国ブランドのグローバル競争力が大幅に向上し、重要部品メーカーが世界の産業システムと深く融合し、中国は世界の自動車強国のトップクラスとなる。

また、2040年までの具体的な自動車市場の見通しは次のとおり。

2040年まで内燃機関は依然として自動車の重要な動力源であり、内燃機関を搭載した乗用車〔ハイブリッド(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、レンジエクステンダ(REEV)〕の販売台数は、乗用車新車販売台数全体の約3分の1を占める見込みだ。

一方で、NEVは自動車市場の主流製品となり、2040年までにNEV乗用車の市場浸透率は85%以上、このうちバッテリー式電気自動車(BEV)が80%を占めるとした。

燃料電池自動車は、2040年までに現在の1万台規模から10万台、100万台へと段階的に拡大し、最終的には総規模で400万台以上となる見通しだ。

(高橋大輔)

(中国)

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