和歌山市のスタートアップエコシステム構築へ自治体、金融機関、アクセラレーター、ジェトロの4者連携
(日本、世界)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年11月04日
和歌山市、紀陽銀行、ジェトロ、スタートアップ(SU)アクセラレーターのBrinc(注1)は10月23日、和歌山市におけるSUエコシステムの構築に向けた協定書を締結した。ジェトロによるSUエコシステム構築に関する地方自治体、金融機関、アクセラレーターの4者連携協定締結は初めて。
和歌山市では、今後、少子高齢化と人口減少が進むことで、産業が衰退し地域経済の活力低下につながることが懸念されている。今回の連携協定では、こうした状況の打破に向けSUエコシステムの整備に取り組む。起業や新事業創出を促進し、持続的な産業の振興と安定的な雇用の創出を通じて、市民生活の向上を目指している。主な連携事項は次のとおり。
a.起業家育成
b.SU創出とその成長促進
c.SU支援体制やコミュニティ形成
d.和歌山市内企業の新事業創出と海外での事業展開の支援
e.市内におけるSUエコシステムの構築に向けた取り組み
調印式において、尾花正啓和歌山市長は「SUは経済成長、社会発展、地方創生の原動力になる。今回の締結を機に、和歌山市のSUエコシステムを充実させていきたい」と語った。紀陽銀行の原口裕之取締役頭取は、同行が2025年3月に和歌山市内に開設したインキュベーション施設「Key Site」(注2)が海外との懸け橋になり、和歌山での創業・起業が増えていくことを期待していると述べた。
ジェトロ和歌山貿易情報センターの𡈽屋智洋所長は、ジェトロの強みは国内外に広がる幅広いネットワークとした上で、「特に和歌山企業が持つ技術を補うような海外SUとの協業・連携に力を入れていきたい」とした。Brinc Japanの岡澤恭弥代表取締役は、和歌山市からアジア、中東地域などの海外に進出するSUを支援していきたい。これまで海外で培った知見を提供することで、和歌山市の成長に貢献していきたいと語った。
調印式後のフォトセッションの様子(ジェトロ撮影)
(注1)世界有数のグローバル・ベンチャー・アクセラレーター。香港、中東、インドを中心とする国・地域で、ロボティクス、気候変動対策技術、Web3.0分野のプログラムを運営しており、伴走支援を通じて、SUの成長を加速させている。
(注2)新規の創業や、創業間もない事業者を対象として資金調達や決済などのサービスを提供するほか、スタートアップ、起業家、学生、地域金融機関、地域企業など地域経済に関わるさまざまな関係者の懸け橋となり、和歌山県の地域経済の成長とSUエコシステムの構築の推進を目的とした施設。
(齋藤寛)
(日本、世界)
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