IEA、世界の2030年までの天然ガス需要予測、中東アフリカで液化能力増加
(中東、サウジアラビア、カタール、ナイジェリア、アフリカ、米国、世界)
調査部中東アフリカ課
2025年11月17日
国際エネルギー機関(IEA)は10月27日、天然ガスに関する報告書「Gas 2025
」を発表した。同報告書によると、2022年のロシアによるウクライナ侵攻のショック以降、ガス市場は徐々に均衡を取り戻しつつあるが、歴史的にみるとガス価格は依然として高い水準で、世界のガス需要の伸びは2024年の2.8%から2025年には1%未満に減速するとの予測だ。
一方、2030年までに世界全体で年間約3,000億立方メートルと大幅な液化天然ガス(LNG)輸出能力が新たに追加され、このうち約7割が米国とカタールにおける液化能力の拡大によるという。アフリカでは主にナイジェリアなどで増加し、2030年までの増加量の約6%を占める。さらに、LNG船の容量は2030年までに40%増加するという。なお、パイプラインによるガス輸送は欧州など地域によっては、減少となる見込みだ。
また、報告書では、2024年から2030年にかけて天然ガス需要が年率で約1.5%増加する見込みだ。需要の増加量の約半分はアジア太平洋地域が占めるほか、増加量の約3割は、発電燃料を石油からガスへ転換する中東地域が占める。
(井澤壌士)
(中東、サウジアラビア、カタール、ナイジェリア、アフリカ、米国、世界)
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