広州医薬集団と北日本製薬が合弁協力へ、中医薬の国際展開を加速

(中国、マカオ、日本)

広州発

2025年10月23日

中国製薬大手の広州医薬集団(以下、広薬集団)は10月5日、広薬集団の国際本部の広薬集団(マカオ)国際産業と北日本製薬が「広薬国際漢和至聖薬業有限公司合弁事業に関する覚書」を9月25日に締結したと発表した。署名式には、広州医薬集団のグループ企業の広州白雲山医薬集団の黎洪総経理と北日本製薬の西村一郎代表取締役が出席し、広薬集団の陳杰輝総経理が司会を務め、広州市の胡浩副市長も来賓として出席した。

北日本製薬は、日本において高品質な満量処方(注)の漢方薬製品で知られている。一方、広薬集団(マカオ)国際産業は、広東省・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)を中心に医薬品分野の協力を深め、広薬集団の国際展開を加速している。

両社は2024年9月に国際協力枠組みに関する協定を締結しており、今回の覚書はその具体化に向けた重要な一歩となる。今後は次の3つの重点分野に焦点を当てて協力を深める方針だ。

  1. 合弁会社の設立を加速して、主要製品のマカオでの試作・認証を通じて、中国市場への展開を図る。
  2. 漢方薬の標準化研究を共同で推進し、国際的に認められる品質基準を策定し、中医薬企業の適正製造規範(GMP)認証を完成させる。
  3. 中長期的な協力体制を構築し、珠海市横琴区にある広東省・マカオ深度合作区に生産拠点を整備するとともに、広州市の国際交通ハブとしての優位性を生かし、製品を東南アジア市場へと展開する。

(注)満量処方とは、厚生労働省が定める「一般用漢方製剤製造販売承認基準」の承認基準内の最大量を配合している漢方薬。

(梁梓園)

(中国、マカオ、日本)

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