タイ政府、大型商用EVに関わる投資への法人税免除を発表

(タイ)

バンコク発

2025年10月08日

タイ政府は9月9日、大型の商用電気自動車(EV)生産を目的とした投資に関して、法人所得税(CIT)を免除する旨の官報(歳入法第798号勅令)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、同10日から施行した。政府は、2030年までに国内生産車の30%以上をEVとする目標の達成に向けた振興策としている。

国内製造または組み立ての大型EVはCITの100%を控除、輸入の大型EVは50%を控除する。対象は、2025年3月27日~12月31日に支払われた法人税に限られる。

大型EVの定義は、商用目的で使用され、未使用かつ陸上輸送に関する法令に基づき登録された車両で、2025年末までに整備・稼働されたものが該当する。対象は、トラック(貨物・動物輸送用)、ピックアップトラック、バン、液体輸送車、危険物輸送車、特殊用途トラック、牽引車のほか冷房バス、セミトレーラー、特殊用途車両など。なお、CIT免除を受けるには、他の法律に基づく税制優遇〔タイ投資委員会(BOI)や産業競争力強化法、東部経済回廊(EEC)法などによる〕を受けていないことが条件となる。

CIT免除を受ける企業は、投資・支払い計画や申請対象のEV情報を作成の上、手続きに沿い、歳入局長へ通知する必要がある。上記で定められた義務を履行しない場合、または申請対象のEVが要件を満たさない場合、CIT免除の権利は失効する。失効の場合、すでに控除された所得は、控除を受けた会計期間の課税所得として再計上される。ただし、控除期間にEVが売却・破損・紛失・消滅した場合には、控除は即時終了し、控除された所得の再計上は不要となる。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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