ガイアナにビジネスミッション、現地政府や企業関係者と日本企業の関係構築が進む

(ガイアナ)

企画部企画課

2025年10月28日

ジェトロは102223日の2日間、ガイアナにおける日本企業のビジネス機会創出を目的としたビジネスミッションを派遣した。本ミッションには日本の商社や物流、インフラ、農業、食品、情報サービスなどさまざまな分野から合計1315人が参加した。

初日の22日は、ガイアナ観光・産業・商業省、ガイアナ投資庁による現地のビジネス環境や税制優遇、政府が重要視するセクターの投資状況や政策について説明を受けた。初日の午後には、米国のエクソン・モービルの油田プロジェクトで使用される資材保管、配管製造などを行う、デメララ川河口付近の沿岸に作られた陸上基地(ショアベース)「Vreed en Hoop Shore Base」の視察を実施した。担当者によれば、現在、敷地面積が44エーカー(約178,000平方メートル)あり、その全てがエクソン・モービルにリースされているが、今後1,500エーカーまで拡張予定とのことで、エクソン・モービル以外の石油ガス企業も入居する予定とのことだ。

写真 ガイアナ投資庁によるガイアナのビジネス環境に関するブリーフィング(ジェトロ撮影)

ガイアナ投資庁によるガイアナのビジネス環境に関するブリーフィング(ジェトロ撮影)

写真 Vreed en Hoop Shore Baseの説明を受ける日本企業(ジェトロ撮影)

Vreed en Hoop Shore Baseの説明を受ける日本企業(ジェトロ撮影)

2日目の23日には、ガイアナでエクソン・モービルの油田開発プロジェクト向けのFPSO(注)事業を手掛ける進出日系企業の三井海洋開発を訪問した。ガイアナにおける同社の事業説明のほか、ガイアナにおける投資機会や、現地でビジネスを行う上での同社のベストプラクティスも紹介された。ミッション参加企業からは現地での会社設立の方法、税務、人材確保の方法など、現地でビジネスを実施する上で課題となる点について、積極的な質問があがった。2日目の午後には、世界に80以上の拠点を持つデンマーク系ロジスティクス企業のBlue Water Shippingを訪問し、同社の事業説明を受けた。同社は現在、ガイアナにおいて、石油・ガス業界の企業を主な顧客として、貨物輸送、税関関連業務、入国手続き、保管業務、トラック輸送など、エンドトゥーエンドのサービスを展開している。

また本ミッションでは、ガイアナ企業、商工会議所、業界団体がメンバーとして名を連ねるガイアナ民間部門委員会(Private Sector Commission of Guyana)の幹部メンバーや、現地ガイアナ企業とのネットワーキング懇親会も開催され、日本企業とガイアナ企業の関係構築が進んだ。

写真 日本企業とガイアナ企業のネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

日本企業とガイアナ企業のネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ミッションに参加した日本企業からは、「ガイアナ政府の方針や現地企業の温度感が分かった」「政府要人とのコンタクトができた」「ガイアナ企業との具体的なビジネスマッチングができた」など、本ミッションで一定の成果を得られた企業が大半を占めた。一方で、インフラの整備状況や労働力不足などに課題があると、冷静にビジネス環境を見極めるコメントも散見された。

(注)「Floating Production, Storage and Offloading system」の略で、海底油田から生産される原油やガスを、洋上で生産、貯蔵、出荷する船舶型の設備のこと。

(小西健友)

(ガイアナ)

ビジネス短信 f4ab345153070723