南米最大級の水産食品展示会がサンパウロで開催、日本産水産物をPR

(ブラジル)

サンパウロ発

2025年10月28日

南米最大級の水産食品展示会「シーフードショウ・ラテンアメリカ2025」が10月21~23日、ブラジルのサンパウロ市アニェンビ展示場で開催された(注1)。同展示会でジェトロは、日本産水産物のプロモーションを目的にジャパンパビリオンを設置し、ブラジル向け輸出に取り組む日本企業2社および現地輸入業者2社とともに出展した。

ジャパンパビリオンでは、既に日本から輸入されているハマチやマグロ、かつおぶしの展示・試食に加えて、まだブラジル市場への輸入が実現していないホタテ(玉冷、ひもつきボイルホタテ)、イクラ、明太子(めんたいこ)、日本産マグロの試食も行われ、高い人気を集めた。

日本から出展した北海道資源貿易の坂本安弘社長は、2024年に引き続き2回目の出展となった同展示会において、「ハマチの施設登録およびラベル登録を完了していたこともあり、昨年に比べて輸入業者との商談が進んだ。ラベル登録の重要性をあらためて実感している」と述べた(注2)。同社が試食提供した明太子や醤油(しょうゆ)漬けイクラを初めて食する来場者も多かったが、「ブラジルにも魚卵を食べる文化があるため、ブラジル市場でも十分受け入れられるだろう」「他国産の塩漬けいくらはあるが、醤油漬けはみたことがない。輸入されたらレストランでいくら軍艦として使いたい」といったコメントが寄せられた。

日本産マグロの初輸入に成功したオーケーコーポレーションも注目を集めた。オーケーコーポレーションは、同展示会を日本産マグロと同社の冷凍技術を「お披露目する場」とし、同展示会では、和食レストラン関係者をはじめとする多数の新たな商談先のコンタクトを得た。これにより、ブラジル市場におけるさらなる展開に意欲を見せた。

その他、現地で調味料を生産するキッコーマン、業務用炊飯器やシャリ切り機などを製造販売する中西製作所、業務用シャリ玉製造機を製造販売するオーディオテクニカが独自出展し、ブラジルの水産業界における寿司や和食の存在感を見せた。現地経済誌「Valor」によると、ブラジルには約1万6,700の日本食を提供する料理店が存在している。今後も水産物をはじめとする日本食品の需要は一層高まると予測される。

写真 ホタテのパッケージを手に取るバイヤー(ジェトロ撮影)

ホタテのパッケージを手に取るバイヤー(ジェトロ撮影)

写真 ホタテと明太子を試食する来場者(ジェトロ撮影)

ホタテと明太子を試食する来場者(ジェトロ撮影)

写真 マグロ、ハマチの試食に、人だかりができるジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

マグロ、ハマチの試食に、人だかりができるジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(注1)主催者によると、来場者数は国内外から生産者、流通業者、輸入業者、輸出業者、レストラン関係者など約4,000人。

(注2)ブラジルへ輸出される水産物を含む動物由来製品は、ブラジル農務省(MAPA)動物由来製品検査部(DIPOA)のシステム(PGA-SIGSIF)への登録が義務付けられている。詳細はジェトロが作成したレポートを参照〔ブラジル向け水産物輸出ガイドブック―動物由来製品検査部(DIPOA)登録の手順―(2024年3月)〕。

(堀池桃代)

(ブラジル)

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