農業ロボットの展示会FIRA USAが開催、カリフォルニア州がアグテックの新イニシアチブ発表
(米国)
サンフランシスコ発
2025年10月28日
米国カリフォルニア州サクラメント近郊のウッドランドで10月21日から23日にかけて、農業用ロボティクスと自律農業ソリューション(注1)の展示会「FIRA USA
」が開催された。2025年で4回目となる本イベントには、農機具メーカー、スタートアップなどが出展したほか、農家、研究者、生産者団体、支援団体などが多数参加した。
デモ会場の様子(ジェトロ撮影)
ジョン・ディアやニューホランドなど大手農機具メーカーに加え、スタートアップやパートナー企業などを含む65社以上が、実際の農園を模したデモ会場で実機デモや展示ブースを展開した。さらにピッチイベント(注2)も開催され、農業バイオテクノロジー向けの生成AIプラットフォームを開発している「AiNovo Biotech」や日本の明治製菓が出資する代替チョコレート企業「California Culture」などの全米から選ばれた4社が登壇した。日本企業では、豊田通商ネクスティエレクトロニクスアメリカがブースを出展。同社の結城真琴氏は「最先端の農機やロボットを開発する会社向けに、同社の電子ユニットやソフトウエア開発などのサポートを提供したい。昨年出展したところ手応えがあり、今年も出展を決めた。展示会は、顧客開発に有効な手段だ」と語った。
豊田通商ネクスティエレクトロニクスアメリカのブース(ジェトロ撮影)
さらに会場では、農業技術を研究室から現場に適用していくための1,500万ドル規模のイニシアチブ「カリフォルニア・アグテック・アライアンス(The California AgTech Alliance)」の立ち上げを発表
。カリフォルニア大学農業・天然資源局、カリフォルニア州食品農業局、州知事経済開発局などが共同で推進していくアライアンスは、9つの地域イノベーションハブを統括し、最先端技術の導入、次世代農業従事者の育成、カリフォルニア農業経済への民間投資を推進する。カリフォルニア州食品農業局のカレン・ロス長官は「州の経済を牽引する農業分野において、気候変動や水不足、人材不足に対応するためにはイノベーションが不可欠である。アライアンスにより中小規模の事業者が、生産性と持続可能性を維持するためのツールやパートナーにアクセスできるようになる」と述べた。
カリフォルニア・アグテック・アライアンスの発表の様子(ジェトロ撮影)
(注1)ロボットやドローン、人工知能(AI)、「モノのインターネット」(IoT)などの技術を活用し、農作業における自動化、効率化、データに基づいた精密農業実現を図ること。
(注2)スタートアップ企業などが投資家などに向けて自社を所定時間(5~10分)内に紹介・アピールするイベント。
(芦崎暢)
(米国)
ビジネス短信 ef1eb04d8b94486c




閉じる
