「TOKIODELIC」が米ニューヨークで再始動、「食×コンテンツ」でリアルな東京を体感
(米国、日本)
ニューヨーク発
2025年10月27日
米国ニューヨーク・ソーホー地区に、日本の食文化とポップカルチャーを融合させたカルチャーカフェ「TOKIODELIC(トキオデリック)」がリニューアルオープンした。2023年に開業した「SUSHIDELIC」を前身とし、今回は「リアルな東京」の食とコンテンツを体感できる場として再構築した。企画・運営は日本のクリエーティブ企業アソビシステム
が担い、プロデュースはきゃりーぱみゅぱみゅのプロデュースを手掛けた演出家の増田セバスチャン氏。
メニューは、ナポリタンやハンバーグなど、日本の喫茶店で親しまれている洋食を中心に構成。現地ではあまりなじみのないスタイルをあえて採用し、東京の「日常の味」をそのまま届けることを目指している。オープニングイベントで増田氏は、「日本の味をもっと食べたい」という現地の声に応えるかたちで、「本物の日本の味」をネイティブの視点から発信したいと語った。物価高が続くニューヨークで、シグネチャーメニューのおにぎりセットを15ドルの期間限定価格で提供するなど、価格面でも現地のニーズに対応している。
また同店は、飲食にとどまらず、文化交流の場としての機能も重視している。店内ではJ-POPやJファッション、カラオケイベントなどを日替わりで展開し、カウンター奥のモニターではミュージックビデオを流すなど、エンターテインメント性も高い。壁面では日本人および現地アーティストの作品を展示・販売しており、訪れるたびに新たな表現と出会える空間となっている。
店舗外観(左)、カラフルな店内と壁面ギャラリー(右)(ともにジェトロ撮影)
こうした「食×コンテンツ」の融合は、近年の米国市場での日本食のプロモーションにおいても注目されている。Z世代やミレニアル世代の消費者は「体験価値」を重視し、SNSでのシェアを通じて情報を拡散する傾向が強い〔JFOODOの現地レポート(2025年3月)
(3.8MB)参照〕。こうした背景のもと、ポップカルチャーと連動した体験型の飲食空間において、SNS映えするビジュアルやストーリー性のあるメニューが、来店動機や購買意欲を高めている。実際に、TOKIODELICも、公式インスタグラムアカウントを通じて「映える」パフェやデザートといったメニューを紹介しているほか、フォトジェニックな内装や演出で、来店者のSNS投稿を促進し、自然なかたちでの情報拡散を実現している。
(堀田基、部谷亜里香)
(米国、日本)
ビジネス短信 e567183239b04a15




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