シンガポール、オーストラリアとニュージーランドとの包括的戦略的パートナーシップの強化・格上げを発表

(シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)

シンガポール発

2025年10月14日

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は10月6日から11日にかけて、オーストラリアとニュージーランドを公式訪問した。訪問中に、シンガポール・オーストラリア包括的戦略的パートナーシップ(CSP)の強化(CSP2.0)、また、シンガポールとニュージーランドの2国間関係のCSPへの格上げが発表された〔10月8日付シンガポール外務省(MFA)発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます10月10日付MFA発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

シンガポール・オーストラリアCSP2.0は、両国の経済と社会が現在および将来の課題と機会に備え、地域のパートナーとの効果的な連携に向けた協力の拡大を目指す。今後10年間に実施される取り組みは、(1)平和と安定への貢献、(2)経済の連携、(3)ネットゼロへの移行、(4)新たなフロンティアの開拓、(5)友好関係と能力の深化、の5つの柱にわたる。(2)経済の連携の関連では、経済的強靭(きょうじん)性に関する覚書(MOU)の署名が発表された〔10月8日付シンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。同MOUは、必須物資を含む経済強靭性強化のための協力拡大を目指す。2026年末までに必須物資の貿易に関する取り決めの交渉を目指すとともに、将来的には法的拘束力のある約束の可能性を模索する。

シンガポール・ニュージーランドCSPの下で今後10年にわたり実施される取り組みは、(1)貿易・経済、(2)防衛・安全保障・安全、(3)科学・技術・イノベーション、(4)人的交流、(5)気候変動・グリーン経済、(6)サプライチェーン・連結性、の6つの柱にわたる。(1)貿易・経済の関係では、必須物資貿易に関する協定(AOTES)について、シンガポール初の法的拘束力のある2国間サプライチェーン強靭化協定に関する実質的な交渉が終了したと発表した(10月10日付MTIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。MTIよると、同協定により、サプライチェーン混乱時にも必要物資を受け続けられるという安心感が生まれ、市場の歪(ゆが)みを管理し、企業にさらなる信頼を与え、さらには消費者にさらなる価格安定性と確実性を提供することにつながる。

(朝倉啓介)

(シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)

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