ジェトロ、IGNITE2025で日本とフィリピンの協業連携推進イベントを開催

(フィリピン)

マニラ発

2025年10月31日

フィリピンのマニラ首都圏で10月15日、同国最大級の国際イノベーションイベント「IGNITE 2025」が開催された。

「IGNITE」には、フィリピンおよびアジア周辺国からスタートアップ企業、大手有力企業、ベンチャーキャピタル(VC)などが集い、参加者は1,000人を超えた。2025年は「ゲートウェイ・アセアン:市場の拡大と成長の促進」をテーマに、ブース展示、パネルディスカッション、ピッチコンペティションなどが行われた。開会セッションには、フィリピン情報通信技術省(DICT)のジノ・イラノ局長、フィリピン科学技術省(DOST)傘下の産業・エネルギー・萌芽技術評議会(PCIEERD)ラッセル・ピリ最高技術移転責任者が登壇した。

写真 IGNITE2025開会セッションの様子(ジェトロ撮影)

IGNITE2025開会セッションの様子(ジェトロ撮影)

ラーニングボックス(本社:兵庫県、注1)は、今回は単独でのブース出展を行うほか、パネルディスカッションへも登壇した。同社の西村慎太郎取締役は「昨年の参加以来、多数の企業が提携に関心を示している。今年はより多くの潜在顧客を獲得できると期待している」と語った。そのほか、人工知能(AI)を活用した定量・定性市場調査を提供する博報堂DYグループ傘下のDiwa AI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ベトナムを拠点とし商用AIクラウドサービスを提供するFPT AI Factory外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどが出展した。

写真 個別企業のブース出展の様子(ジェトロ撮影)

個別企業のブース出展の様子(ジェトロ撮影)

また、米国のペガサス・テック・ベンチャーズ(注2)が例年IGNITE内で主催するスタートアップ・ワールドカップには、10社のスタートアップが参加した。英語や数学のオンライン講師をカスタマイズできるサービスを提供するEdge Tutor International外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが優勝し、2026年にシリコンバレーで開催されるグランドファイナルにフィリピン代表として出場することが決定した。

ジェトロ、日系企業と海外企業の協業連携支援イベントを開催

同イベント内でジェトロは、フィリピンで海外企業との協業連携を目指す日系企業によるピッチイベント「Japan x Philippines Co-Innovation Pitch(以下、ジェトロセッション)」を開催。展示会場にジェトロブースを設置し、登壇者とのネットワーキングを支援した。

ジェトロセッションでは、日本のエネブルーム(本社:神奈川県、注3)が登壇し、海外企業に対して同社の環境に配慮した機器導入後のメンテナンスパッケージを共創するプロジェクトへの参画を呼びかけた。また、日本企業との協業連携に関心のあるフィリピンのスタートアップ企業として、Alerto外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますBetter-ed外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますHotelblock.ai外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますKlimatech外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの4社もピッチを行った。エネブルームの伊藤正義代表取締役社長は、東南アジアの中小企業との連携に積極的に取り組んでおり、特にASEANの発展に強い関心を寄せている。伊藤氏は初めてのIGNITEへの参加を通して、「日本企業だけでなくフィリピンの現地企業とも連携していきたい」と語った。

写真 ジェトロブースの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロブースの様子(ジェトロ撮影)

(注1)ラーニングボックスは、研修・教育のためのeラーニングプラットフォームを提供する企業。同社は、2024年のジェトロセッションにも参加している(2024年11月8日記事参照)。

(注2)ペガサス・テック・ベンチャーズは、シリコンバレーを拠点とするグローバルVC。

(注3)エネブルームは、高品質で環境に優しい洗浄機などの産業製品の輸出とソリューション提供を行う企業。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン)

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