8月の失業率は4.2%を維持
(オーストラリア)
シドニー発
2025年10月03日
オーストラリア統計局(ABS)は9月18日、2025年8月の雇用統計を発表し、失業率(注)が4.2%だったと明らかにした。失業率は横ばいだが、就業者数と失業者数がいずれも減少したため、労働参加率は前期比0.1ポイント減の66.8%となった。
就業者数は前月比で5,400人減少し、1,462万6,500人となった。失業者数も900人減少し(0.1%減)、64万7,400人だった。前年同月比でみると、就業者数は21万7,200人増加(1.5%増)し、失業者数も2万8,100人増加(4.5%増)した。
就業者数を雇用形態別にみると、フルタイムは1,007万7,300人(前月比4万900人減)、パートタイムは454万9,200人(3万5,500人増)と、パートタイム雇用者が全体の3割程度を占める。労働参加率は66.8%、不完全雇用率は5.7%、労働力の未活用率は9.9%だった。
失業率を州別にみると、首都特別地域(前月比0.8ポイント増の4.7%)、南オーストラリア州(0.6ポイント増の4.9%)、クイーンズランド州(0.2ポイント増の4.4%)、ニューサウスウェールズ州(0.1ポイント増の4.2%)、北部準州(0.1ポイント増の4.5%)で、いずれも前月より上昇した。一方、タスマニア州(0.5ポイント減の3.2%)、西オーストラリア州(0.3ポイント減の3.8%)、ビクトリア州(前月比0.2ポイント減の4.4%)では低下した。
公共放送ABC(9月18日付電子版)は、通常は就業者数の減少により失業率は上昇するが、今回は失業率が横ばいだった理由として、求職者の割合が大幅に減少したためとした。また、市場アナリストは、就業者数と労働参加率が同時に減少していることは、オーストラリアの雇用市場が予想よりも急速に弱まっていることを示していると指摘した。
ジム・チャルマーズ財務相は、世界情勢が非常に不透明な中、失業率が4.2%を維持していることを歓迎すると述べた。また、現労働党政権下における長期的な失業率の安定は、労働市場の強さを表しているとした。
(注)全て季節調整済みの数字。
(山崎美樹)
(オーストラリア)
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