最低賃金に日額手当を増額支給

(ミャンマー)

調査部アジア大洋州課

2025年10月03日

ミャンマーの財務歳入省は9月30日、現行の最低賃金に対し、日額1,000チャット(約70円、1チャット=約0.070円)の手当増額を10月1日から実施すると発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

今回の日額手当の1,000チャットの増額は、前回の2024年8月の日額1,000チャット(2024年8月19日記事参照)、前々回の2023年10月の日額1,000チャットの手当増額(2023年10月16日記事参照)と最低賃金額4,800チャット(時給額600チャット×8時間)と合わせ、合計7,800チャットを日額支給の最低賃金とするもの。前回、前々回に引き続き1日当たりの手当での増額で、最低賃金額の増額ではないため、残業代などは増額の対象にならない。

ミャンマーでは2021年の政変以降、人材の国外への流失が進んでいたが、2024年4月に開始された徴兵制はその流れを加速させている。国内での労働不足が発生しており、政府は国外への人材流出を防ぐ措置をとっている。

2025年8月にジェトロのヒアリングに応じた日系の縫製業、工業製品製造業、食品加工業の企業によると、ミャンマー人材の確保のため、賃金は最低賃金の引き上げにかかわらず上昇しているという。賃金上昇、各種手当の支給以外にも、コメや食用油の現物支給なども行い、労働者の定着を図っている。今回の日額手当の増額で設定された最低賃金だけでは、十分に労働者を確保することは難しい状況だ。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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