エネルギー分野の水素パイロット事業を発表

(中国)

武漢発

2025年10月21日

中国国家能源局は10月14日、「エネルギー分野の水素エネルギーパイロット事業(第一回)の公示に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同局は、水素エネルギー管理モデルの革新をさらに推進し、水素産業の多様な発展を模索し、他地域でも応用可能な事例の創出を目指している。今回は水素エネルギーの「製造・貯蔵・輸送・利用」の全プロセスの発展を支えるため、水素エネルギーに関連するパイロット事業の申請と審査を経て、実施する案件を選定した。

パイロット事業は、個別企業・団体単位の事業と、地方自治体が申請した地域単位の事業に分けられる。専門家による審査を経て、内モンゴル自治区での風力や太陽光の発電を活用した水素製造によるグリーンアンモニア合成や水素エネルギーの複合応用などを含む41件のプロジェクトと、吉林省長春市・松原市・白城市など9地域での水素エネルギーのパイロット事業を選定した。

パイロット事業41件の実施地域をみると、内モンゴル自治区が6件、広東省が4件、吉林省、遼寧省、湖北省が各3件、新疆ウイグル自治区、黒竜江省、陝西省、河南省、安徽省、浙江省、四川省、重慶市が各2件、天津市、山西省、寧夏回族自治区、甘粛省、江蘇省、貴州省が各1件となっている。代表的なプロジェクト内容としては、水素の大規模製造と一体化(11件)、クリーン低炭素水素エネルギーの総合開発(8件)、高密度・多元化貯蔵(4件)、水素エネルギー実証実験プラットフォーム(4件)などが挙げられる。

地域単位のパイロット事業9件は、吉林省、寧夏回族自治区、河北省、内モンゴル自治区、広東省、江蘇省、山東省、湖北省、四川省が選ばれた。各地域の事業の方向性をみると、吉林省と寧夏回族自治区は新エネルギーによる水素製造の大規模化、河北省、内モンゴル自治区、広東省が全プロセスチェーンの発展、江蘇省、山東省、湖北省、四川省が技術イノベーションと応用拡大となっている。内モンゴル自治区、吉林省、寧夏回族自治区、江蘇省、湖北省、四川省、広東省は、企業・団体単位の事業と地方自治体単位の事業双方に選定された。

(高橋大輔)

(中国)

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