ドイツ自動車部品大手ZF、武漢市でブレーキ系統の新工場を稼働

(中国、欧州、ドイツ)

武漢発

2025年10月27日

ドイツの自動車部品大手ZFは10月18日、武漢市でブレーキ系統の新工場を稼働させたと発表した。新工場では電動パーキングブレーキ(EPB、注1)を生産する。

同社は1999年からEPBの技術開発を進め、現在は同製品の第6世代を手掛ける。中国では、2007年にEPBの現地生産を開始し、今回稼働した新工場では、将来的に電子機械式ブレーキシステム(EMB、注2)の生産も手掛ける方針を示した。

同社の取締役会メンバーのピーター・ホールドマン博士は中国市場について、「アジア太平洋地域、特に中国は、ZFにとって重要な市場であるのみならず、世界の自動車技術のイノベーションの中心地だ」「中国市場はスマート化されたモビリティへの受容性が高く、ZFにとって理想的なイノベーションの土壌を提供している」と評価した。さらに、「スマートシャシー技術の現地開発や実用化を推進している」と述べた。

同社は2011年に武漢市に工場を設けて以来、アジア太平洋地域のブレーキ部品製造拠点として、累計7,000万セットのブレーキキャリパーを生産している。湖北省政府の発表によると、同社は2021年に既存工場のアップグレード投資を実施し、2023年にはアジア太平洋地域で最大のエアバッグ生産および研究開発拠点を武漢市に設けた。近年、中国の自動車メーカー数社から相次いで受注を獲得しており、多くの新製品が中国で研究開発、発表、量産されているという。

(注1)電子制御によってパーキングブレーキを作動させる装置。機械手動式ブレーキと比べて安全性、利便性が高い。

(注2)油圧の代わりに電気モーターを使用して制動力を形成する方式。エンジン停止時にも制動可能なため、電動車に適したブレーキ方式となっている。

(廣田瑞生)

(中国、欧州、ドイツ)

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