スズキの社会的インパクト投資運用会社、ベンガルールでフォーラム開催
(インド、日本)
ベンガルール発
2025年10月01日
スズキのインドの社会的インパクト投資ファンド運用子会社ネクストバーラトベンチャーズIFSC(Next Bharat Ventures IFSC:ネクストバーラト)は、インドの包摂的成長と未来を見据えた「バーラト(Bharat) 2047」(注)の実現に向けて、自動車分野でつながりのない10億人を対象とする「Next Billion Forum 2025」を8月29日に南部の都市ベンガルールで開催した。
このイベントでは、ネクストバーラトの最高経営責任者(CEO)兼マネジングディレクターのビプール・ナート・ジンダル氏が「少数のユニコーンを生み出すことではなく、数百のエレファント(社会にインパクトをもたらす中小企業)を生み出すことで、インドの社会課題を解決して、農村などにいる10億人の生活の質を向上させ、積極的な経済活動への参画を実現することだ」と事業目的を説明した。その後、アーリーステージのインパクト起業家支援プログラム(Residency Program)の第2弾に選ばれた社会課題解決型スタートアップ企業15社を紹介した。
その他、中根勤・駐ベンガルール総領事やスズキの石井直己副社長のあいさつ、インド政府の改革委員会(NITI Aayog)元CEOのアミタブ・カント氏による基調講演、地場IT大手インフォシス共同創業者ナラヤナ・ムルティ氏とネクストバーラトのジンダル氏との対話、インフォシス元最高財務責任者(CFO)のモハンダス・パイ氏がモデレーターを務め、企業経営者や政策立案者、金融機関代表、NPO代表によるパネルディスカッションが行われた。
ネクストバーラトでは、4カ月のインパクト起業家支援プログラムのほかに、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)内に開設した「スズキ・イノベーションセンター(SIC)」で農村調査などのシンクタンク活動、「Japan Synergy」と呼ばれる日本とインドの協業によるインパクト起業家支援や日本企業に対する農村などの現地視察等の活動を行っている。
Next Billion Forum 2025イベントの集合写真(ネクストバーラト提供)
(注)2047年はインド独立100周年で、インド政府は同年までの先進国入りを目指している。
(中舘尚人)
(インド、日本)
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