フランス経済、第3四半期は0.5%成長、企業投資と輸出が牽引
(フランス)
パリ発
2025年10月31日
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が10月30日に発表した速報値 (フランス語)によると、2025年第3四半期の実質GDP成長率は0.5%となり、前期の0.3%から加速した。国内の政治的不安や国際的な緊張が続く中でも、企業の設備投資と輸出が経済成長を下支えした。
(フランス語)によると、2025年第3四半期の実質GDP成長率は0.5%となり、前期の0.3%から加速した。国内の政治的不安や国際的な緊張が続く中でも、企業の設備投資と輸出が経済成長を下支えした。
内需(在庫を除く)の寄与度は0.3ポイントと、前期の0.2ポイントを上回った。家計最終消費支出(個人消費)は前期比0.1%増と横ばいにとどまったが、民間設備投資は0.9%増(前期は0.2%増)と持ち直した。特に設備財(2.1%増)と輸送機器(0.3%増)への投資が堅調で、情報・通信分野では1.7%増とデジタル化を背景にした投資が成長を牽引した。
家計消費では、エネルギー消費は前期比1.3%増と急増した一方、食品購入は前期の大幅増の反動で1.0%減と落ち込んだ。サービス消費は0.2%増と前期(0.5%増)から減速。宿泊・飲食サービス(0.7%減)や交通サービス(0.5%減)の低迷が影響した。他方、情報・通信サービスは1.1%増と前期の0.2%減から持ち直した。
外需(純輸出)の寄与度は0.9ポイントと、前期のマイナスからプラスに転じた。輸出は前期比2.2%増と急伸(前期は0.3%増)、輸入は0.4%減(同1.4%増)と減少に転じた。輸出は輸送機器(8.9%増)、特に航空機関連が好調で、化学製品や医薬品も堅調な伸びを示した。一方、農産食品の輸出は4.9%減と再び落ち込み、特に飲料の輸出は米国および中国との貿易摩擦の影響を受けた。輸入では、エネルギーや食品を中心に財の輸入が0.3%減となり、サービス輸入も0.6%減と2期連続で減少した。
在庫変動の寄与度はマイナス0.6ポイントと、前期の0.5ポイントから大きく低下した。航空機産業での在庫調整が主因で、化学・医薬品分野も小幅ながらマイナスに寄与した。
INSEEは2025年通年の実質GDP成長率について、政府予測の0.7%を0.1ポイント上回る0.8%に達するとの見通しを示している。
(山崎あき)
(フランス)
ビジネス短信 b9c65b92a4322f0b







 閉じる
閉じる




 X 公式アカウント
X 公式アカウント YouTube 公式アカウント
YouTube 公式アカウント