2025中国製造業企業500強を発表、技術革新の勢い加速

(中国)

調査部中国北アジア課

2025年10月01日

中国安徽省の合肥市で9月20日に開幕した「2025世界製造業大会」で、中国企業連合会の常務副会長の李冰氏が登壇し、「2025中国製造業企業500強ランキング」を発表した。同ランキングは中国企業連合会が21年連続で公表しているもので、2025年のランクイン基準は売上高173億6,500万元(約3,646億6,500万円、1元=約21円)となり、前年より3億300万元上昇した。

同ランキングのトップは中国石油化工集団(シノペック)で、売上高は2兆9,320億5元、2位は中国宝武鋼鉄集団で9,000億元超、3位は恒力集団の8,715億元だった。上位10社のうち、6位に比亜迪(BYD)、8位に上海汽車集団、9位に浙江吉利控股集団の3社がランクインしており、前年に続いて自動車メーカーが高順位を維持している。

発表によると、中国製造業企業500強の研究開発投入強度(売上高に対する研究開発費の比率)は2.45%で、前年より0.03ポイント上昇した。有効な専利(注1)件数は166万3,200件(前年比11.34%増)、うち発明専利(注2)は80万3,800件(同12.07%増)と、技術革新の勢いが強まっている。業界別では、通信設備製造やコンピュータ、オフィス設備などで平均売上高が10%以上増加し、半導体集積回路やパネル製造業では平均利益が2倍超伸びた。また、海外売上高の比率は19.1%に達し、前年より0.87ポイント上昇した。

李氷常務副会長は今回の中国製造業企業500強の全体的な発展について、「2024年の世界経済が多くの課題に直面する中、中国経済は全体として安定を維持し、着実に前進した。500強に代表される中国製造業の大企業は、イノベーションによるブレークスルーで挑戦に対応し、構造の最適化によって基盤を固めている」と述べた。

国家工業情報安全発展研究センターの蒋艶主任によると、2025年内にデジタル化された研究開発設計ツールの普及率84%、主要工程の数値制御化(NC)率66.8%に達する見込みだ(「新華網」9月20日)。蒋主任は、中国の製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は中等レベルから中高レベルへの移行段階にあると分析した(同)。

(注1)「専利」とは、日本の特許、実用新案、意匠に当たる。

(注2)「発明専利」とは、日本の特許に当たる。

(富永笑美子)

(中国)

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