日系食品企業、華北地域のスーパーなど向けに総菜提案

(中国)

北京発

2025年10月02日

ジェトロは923日、中国チェーン経営協会(CCFA、注1)と共催し、北京市内のキッチン施設で、「スーパーなどのチェーン店キッチン向け実演説明会」を開催した。北京フード会(注2)の日系食品企業7社が参加し、華北地域のスーパー、コンビニ、セントラルキッチン(注3)計13社の店内調理や総菜コーナー担当者に商品を展示したほか、調理の実演をしながら、各社商品を活用した総菜の調理方法を提案した。

実演に先立ち、日中の代表者が中国と日本のスーパーの現状を分析した上で、総菜コーナーが店舗の集客力の向上や売り上げ拡大、競合との差別化に果たす役割の重要性を訴えた。中国では消費形式の多様化や単身世帯の増加を背景に、「即食・簡便食品」のニーズが高まっており、総菜市場の成長が期待されている。一方で、新型コロナウイルス禍で急速に浸透した大型スーパーによる宅配サービスの影響もあり、実店舗への来店客の減少に直面しているスーパーも少なくない。今回の説明会はそうした市場動向も踏まえ、日系食品企業の華北地域向け販路拡大と現地スーパー、コンビニ、セントラルキッチンとの連携強化を後押しする取り組みとなった。

実演会に参加した食研食品(中国)の木村誠販売総監(北京フード会会長)は「中国のスーパー関係者は、日本のスーパーでの総菜の位置づけを強く意識している。日本のメニューや商品の中国市場への導入、売れ筋商品を日中共同で作り上げる際の手伝いができればと思う」と述べた。

中国側主催者の中国チェーン経営協会の王蓓部長は「今回のイベントは、中国企業による単なる商品調達の場から、中日のビジネス変革に向けた意識づくりの場となった。また、中日企業による中国消費者のニーズに基づく商品の共同開発や、日系企業による中国市場向け商品提案のきっかけにもなった」と話した。

写真 調理の実演と試食(ジェトロ撮影)

調理の実演と試食(ジェトロ撮影)

写真 日系食品企業の展示例(ジェトロ撮影)

日系食品企業の展示例(ジェトロ撮影)

(注1)1997年に中国商務部の指導下で設立された小売、飲食業界の全国規模の業界団体。国内のチェーンストアやフランチャイズ企業を取りまとめる業界団体の1つで、政策提言や基準策定、情報提供、人材育成、国際交流といった多岐にわたる活動を通じて、小売、飲食業界の発展の促進、企業間交流と協力の強化、政府と企業の橋渡しなどを行っている。

(注2)在中国の日系食品企業からなる任意団体。中国各地で日系企業の食品のPRなどの活動を行っている。

(注3)複数の店舗や施設に対して、食品の調理や仕込みを行う調理施設。

(王瑩)

(中国)

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