遼寧省、民間経済の質の高い発展促進措置を公表、政府調達や人材などの分野で取り組み

(中国)

大連発

2025年10月01日

中国・遼寧省政府は9月8日、「遼寧省の民間経済の質の高い発展を促進する若干の措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布した。同措置は国の民間経済発展戦略の実施、就業、企業、市場などの安定任務を適切に実施し、同省で民間経済の持続的かつ健全で質の高い発展を推進するために制定した。公布日と同日に施行され、有効期間は2028年12月31日までとなる。

同措置では、公平で平等な競争環境の整備・改善などを含む5分野27項目の取り組みを定めている(添付資料表参照)。また、各取り組みの担当窓口としてそれぞれ、遼寧省発展改革委員会、商務庁、市場監督管理局などを指定した。

同措置の主な取り組みは次のとおり。

  • 政府調達について、関連限度額以上、かつ200万元(約4,200万円、1元=約21円)以下の物品・サービスの調達プロジェクトと、400万元以下の工事調達プロジェクトのうち、中小企業が提供することが適切なものは、中小企業から調達しなければならない。200万元を超える物品・サービスの調達プロジェクトと、400万元を超える工事の調達プロジェクトのうち、中小企業が提供することが適切なものは、中小企業向けの調達枠を30%以上から段階的に40%以上へ引き上げる政策を2026年末まで継続する。調達者と中小企業が契約を締結する際に前払い金を契約金額の40%以上とすることを原則として定めるよう奨励する。
  • 産業高度人材、優秀な若手エンジニア、優秀な高度技能人材に対し、それぞれ1人当たり最高50万元、30万元、10万元の報奨金を支給する。世界ランキング上位の大学を卒業し、常勤ポスドクとして研究に従事して遼寧省で就職する人材に対し、1人当たり30万元の報奨金を支給する。ポスドクステーションまたは企業のポスドクイノベーション実践拠点に新規に配属されてポスドク研究に従事する人材に対し、1人当たり10万元の報奨金を支給する。
  • 企業に対して国家レベルのスマート工場の建設を奨励し、新規に同工場として認定された企業に対し、報奨として100万元を一時金として支給する。
  • 2025年末までに戦略的鉱物資源開発や重要プロジェクトの海洋利用許可、重要プロジェクトの土地利用事前審査、環境影響評価の審査期間を法定基準より50%短縮する。大型の風力・太陽光発電拠点、省エネ・低炭素化改造などの重要プロジェクトの環境影響評価の審査期間を3分の1まで短縮する。

同措置については、日系企業も政府調達プロジェクトへの参画や高度人材報奨金の活用などの適用対象となる可能性もあることから、担当部門の説明など関連動向を注視することが有益だ。

(李穎)

(中国)

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