コロンビア上半期の対内直接投資は前年同期比1.5%増も、米国からの投資減少

(コロンビア、米国、アルゼンチン、スペイン)

ボゴタ発

2025年10月10日

コロンビア中央銀行が9月1日に発表した統計によると、2025年上半期(1~6月)の対内直接投資額(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年同期比1.5%増の65億7,900万ドルだった。業種別では、金融が17.5%増の17億7,600万ドルと最大、次いで石油が15.6%増の15億1,400万ドルだった。一方、減少したのは商業・外食・ホテル(33.2%減)、鉱業(石炭を含む、51.2%減)だった(添付資料表1参照)。国・地域別では、構成比最大の34.5%を占める米国が14.8%減の22億6,900万ドルだった(添付資料表2参照)。米コロンビア商工会議所のマリア・クラウディア・ラクチュール会長はこの減少について、「先行き不透明感と、法的安定性の欠如、悪化する治安が資本の受け入れ先としてのコロンビアの魅力を弱めている」「この傾向を改善するには、マクロ経済の安定、一貫性のある公共政策、投資家と市民にとって長期的に信頼できる環境確保が必要」と述べた。

対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は22億7,100万ドルで、前年同期比1.0%減だった。業種別では、金融が13.6%減の9億1,100万ドル、製造業が93.5%増の7億700万ドルだった。国・地域別では、全体の40.7%を占めるパナマが42.1%増の9億2,300万ドルだった。

上半期の主な対内直接投資案件としては、アルゼンチンの電子商取引メルカドリブレ(Mercado Libre)が4月に4億7,000万ドルの投資を発表した案件がある。電子商取引とフィンテックの発展強化のため、3,000平方メートルの新オフィスをボゴタ市に開設する。6月には米国のホテルフランチャイザー、ウィンダム・ホテルズ&リゾーツ(Wyndham Hotels&Resorts)がコロンビアの建築デザインなどを手がけるプロジェクトス・ウルバノス(Proyecto Urbanos)との提携を通じて、コーヒー生産地域でのリゾート開発を発表した。開発期間は6年で、投資額は2億5,000万ドル以上となる見込みだ。プロジェクトの第1段階では、30~80平方メートルのスイートルーム、140部屋を有するホテルの建設が予定されている。

対外直接投資案件としては、2月にコロンビア石油公社エコペトロール(Ecopetrol)が米国の石油・ガス開発のオクシデンタル・ペトロリアム(Occidental Petroleum Corporation)と2019年7月に締結した契約の一環として、米国テキサス州パーミアン盆地のミッドランド開発計画を延長することに合意した。この計画には8億8,000万ドル以上の投資が含まれている。3月には投資会社グルポ・トリニティ(Grupo Trinity)が喫茶店チェーン、フアン・バルデス(Juan Valdez)のスペインでのプレゼンス強化のため、4,700万ドルの投資を行うことを確認した。

(木村香菜)

(コロンビア、米国、アルゼンチン、スペイン)

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