ダッカ空港の輸入貨物エリアで火災、原因究明と責任の所在に焦点
(バングラデシュ)
ダッカ発
2025年10月21日
バングラデシュの首都ダッカに位置するハズラット・シャージャラール国際空港で10月18日、大規模な火災が発生した。同日午後2時30分ごろに出火したとみられ、輸入貨物エリアに保管されていた貨物を焼失させただけでなく、航空便の混乱も招いた。消防・民間防衛局が午後9時18分に鎮火を発表し、同時に航空便の運航が再開した。
シェイク・ボシール・ウディン商業・民間航空担当顧問(大臣に相当)は翌19日、政府が責任の所在を含めたあらゆる側面で調査を実施中と述べた。また、同顧問は、通関業者やフォワーダーから消防署の対応の遅さに批判が寄せられていることに関して、真摯(しんし)に受け止めると回答した。
ビジネス関係者は民間航空局(CAAB)を強く非難している。バングラデシュ・ニット製造輸出業協会(BKMEA)のモハマド・ハテム会長は「CAABはこのような大規模火災を防ぐために十分な予防措置を講じていたのか。この災害は、国内企業に数百億タカ(1タカ=約1.23円)規模の損失をもたらし、国際的なイメージの悪化も避けられないだろう」などと述べた(「ビジネス・スタンダード」紙10月19日)。さらに、バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)のファイサル・サマド理事は、ウディン商業・民間航空担当顧問が現場に駆け付けて輸入業務の早期再開に向けた支援を約束したほか、輸入品を空港の第3ターミナル(未完成)に一時的に保管できるよう手配し、通常72時間以内に行う通関手続きを36時間以内に短縮して行う方針を示したと語った(「プロトム・アロ」紙10月19日)。
また、BGMEAのモハメド・ソヘル理事はジェトロの取材に、「被害を受けたのは輸入用の貨物エリアだ。輸出用の貨物エリアに被害は出ておらず、既に通常どおり稼働している。また、明日(20日)から輸入業務も再開されるはずだ。今後は原因と責任の所在が究明されるだろう。保険が掛けられていた貨物については、それに伴い、保険会社による求償権の行使先が確定するのではないかと思う」と述べた。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
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