インド、温室効果ガス排出量の具体的な削減目標を4領域で制定
(インド)
ベンガルール発
2025年10月21日
インド環境・森林・気候変動省は10月8日、エネルギー多消費産業に対して法的拘束力のある排出削減目標を定めた通達「温室効果ガス(GHG)排出原単位目標規則2025(Greenhouse Gases Emission Intensity Target Rules, 2025)」を発行した。
炭素クレジット取引スキーム2023(Carbon Credit Trading Scheme, 2023)では、特定産業に対するGHG排出削減を義務化するコンプライアンスメカニズムを発表しているが、法的拘束力がある目標設定はインドでは初となる。同規則では、アルミニウム領域13施設、セメント領域186施設、クロルアルカリ工業領域30施設、パルプ・製紙領域53施設を列挙した。
対象施設は、2023~2024年度(2023年4月1日~2024年3月31日)を基準に、生産高当たりのGHG排出量〔製品1トン当たりの二酸化炭素(CO2)換算トン数で測定〕の2025~2026年度と2026~2027年度の削減目標の達成が必要だ。
2026~2027年度の全体の削減幅は2023~2024年度比で、アルミニウム領域で約5.8%、セメント領域で約3.4%、クロルアルカリ工業領域で7.5%、パルプ・製紙領域で7.1%となっている。割り当てられた目標値より排出量が少ない施設は、取引可能な炭素クレジット証書を得ることができる。一方で、目標値を超過した施設は、同等のクレジットをインドの炭素市場から購入するか、その順守年度の炭素クレジット平均取引価格の2倍に当たる「環境補償金」を支払わなければならない。
(大野真奈)
(インド)
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