HSBC、恒生銀行の非公開化を提案

(香港、英国)

香港発

2025年10月16日

英国の大手金融機関HSBCホールディングスは10月9日、完全子会社の香港上海銀行と共同で、組織再編計画の下、恒生銀行の非公開化を提案したと発表した。HSBCは現在、香港上海銀行を通じて恒生銀行の株式約63%を保有している。この提案が承認された場合、香港上海銀行は少数株主が保有している恒生銀行の全ての残存株式を取得するとともに、恒生銀行の株式は香港証券取引所で上場廃止となる。

今回の提案では、対象となる株式1株当たりの価格を155香港ドル(約3,007円、1香港ドル=約19.4円)と提示しており、これは一株当たりの30日間での平均終値116.5香港ドルに対して、33%のプレミアム(上乗せ幅)を加えた額に相当する。また、このスキームによる恒生銀行の評価額は2,900億香港ドルで、2025年度上半期の株価純資産倍率の1.8倍に相当し、香港の同業他社と比較しても非常に高い水準となっている。今回の提案は最終的なもので、これ以上の増額は行わない予定だ。

HSBCグループのジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)は同提案について、「恒生銀行とHSBC双方の成長を促す画期的な機会」とした上で、「香港経済への重要な投資でもあり、当市場へのわれわれの確固たる信頼と、先進的な国際金融センターとして、国際市場と中国本土を結ぶ『スーパーコネクター』として、将来へのコミットメントを強調するものだ」と述べた。

(越川剛)

(香港、英国)

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