諏訪市でジェトロが商談スキルアップセミナー開催、展示会で使える実践スキル解説

(日本)

農林水産食品部市場開拓課

2025年10月30日

ジェトロは10月20日、長野県諏訪市、同県産業振興機構とともに、食品関連産業の海外販路開拓の促進に向け、海外展示会を有効活用するための商談スキルアップセミナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます駅前交流テラス「すわっチャオ」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(諏訪市)で開催した。翌21日には諏訪合同庁舎で個別相談会も実施した。

20日のセミナーには同県内の食品関連事業者ら19人が参加した。講師は、中小企業の海外展開支援を行うPTG代表取締役の白井規直氏だ。セミナーでは「名刺より商談を獲(と)れ!効果的な食品展示会の持ち方」をテーマに、国内外で通じる実践的な展示会ノウハウを解説した。白井氏は展示会を「来場者の課題解決の場」と位置づけ、出展社は自社製品・サービスのUnique Selling Proposition(他社にはない顧客への価値提供)を明確にし、来場者の抱える課題に対して「高タンパク&低GI」「砂糖不使用」「グルテンフリー」など、自社製品の強みを端的に伝え、解決策を提示することが重要だと強調した。また、展示会出展に際しては、営業担当者のみならず、企業全体で出展の目的や目標を共有し、展示会前の準備段階から期間中だけでなく、期間後のKGI/KPI評価(注)や商談企業へのフォローアップなども一体となって取り組むことで、展示会の効果を高められると述べた。

参加者からは、「海外展示会に必要な準備やスキルのイメージが持てた」「海外進出について前向きにとらえることができたので、海外見本市の活用を検討したい」「海外展示会の効果的な活用方法について体系的に理解でき、すぐに実践できる内容だった」など、今後の海外市場へのアプローチに向けた積極的な声が寄せられた。

そのほか、ジェトロ農林水産食品部市場開拓課の古城達也課長代理が「農林水産物・食品の輸出に係る規制動向」をテーマに、日米関税合意の概要や台湾や中国をはじめとする農林水産食品の規制動向、ジェトロの支援サービスなどについて紹介した。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

翌21日には個別相談会を実施し、相談に訪れた企業が抱える海外展開や現地の輸入規制に関する課題について、白井氏がアドバイスをした。相談企業からは、「海外ビジネスでは文化や言語の違いによって、取引相手との齟齬(そご)が生まれることがあるため、双方の認識の擦り合わせが重要だと再認識した」「これまで輸出を検討したこともなく、頼るところがなかったので、大変助かった」「商品の販売戦略や次のステップが明確になった」といった声が聞かれた。

(注)KGI(Key Goal Indicator)とは、ビジネスの最終目標を示す指標。KPI(Key Performance Indicator)とは、KGIを達成するための「中間目標」や「プロセス」を示す指標。

(荒井慎哉、齋藤愛友、庄田幸生)

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