英国知的財産庁、急増する偽造玩具による子どもの健康被害に懸念

(英国)

デュッセルドルフ発

2025年10月07日

英国知的財産庁(UKIPO)は10月3日、「偽のおもちゃ、真の危険(Fake Toys, Real Harms)」キャンペーンについて発表し、偽造玩具による健康や安全へのリスクに対する警鐘を鳴らした(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2025年1~8月に英国国境で押収された偽造玩具は約25万9,000点で、推定350万ポンド(約7億700万円、1ポンド=約202円)相当に上り、そのうち約91%(23万6,000点)が世界的に人気のラブブ(Labubu)人形の偽物だった。

UKIPOによると、押収された偽造玩具の75%が安全基準に不適合で、有害化学物質や窒息の危険性が確認されたものもあった。また、偽造品購入者の46%が破損や異臭、子どもの体調不良などの問題を経験している。

消費者の70%が価格を重視する一方、安全性を考慮する割合はわずか27%にとどまる。UKIPOは、偽造玩具が子どもの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるとして、信頼できる販売元からの購入を呼びかけている。

ブラックフライデーやクリスマスなど、子どもへのプレゼント需要が高まる季節を前に、保護者や贈り手には、安価な模倣品に潜む危険性への理解と注意が一層求められる。

(吉森晃、佐藤吉信)

(英国)

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