サン・セバスチャンの国際料理学会「ガストロノミカ」で日本食材をPR

(スペイン、日本)

マドリード発

2025年10月20日

世界の一流シェフが集う国際料理学会「サン・セバスチャン・ガストロノミカ(San Sebastian Gastronomika外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が10月6~8日にスペイン北部バスク州サン・セバスチャンで開催された。主催者発表によると、27回目となる今回は、48カ国から1万4,712人が来場し、会議には1,479人が出席、160社が出展した。同学会は世界のトップシェフや食関連業界関係者が集う国際的なガストロノミーイベントとして知られている。

ジェトロは今回、日本食材のプロモーションを実施した。会議プログラムでは、昆布を製造販売する福井県敦賀市の奥井海正堂の代表取締役、奥井隆氏が登壇し、ともにレストラン格付け誌「ミシュランガイド」で1つ星に選ばれたバルセロナの「Koy Shunka」の松久秀樹シェフと、バレンシアの「Kaido Sushi Bar」の矢ノ目欽一シェフの協力を得て、「昆布の旨味(うまみ)」をテーマに、昆布だしのプレゼンテーションを行った。会場では、2014年産と2024年産の利尻昆布などのだしを提供し、参加者に昆布だしの奥深さを体験してもらった。奥井氏は「日本で150年培ってきた昆布の歴史と伝統、文化を次世代へ伝えていきたい」と語った。

ブース出展エリアでは、ジャパンブースを初めて設置し、シェフや料理学校の学生など幅広い来場者に、マグロカツなどの日本産食材を使った試食品を提供した。日本のはえ縄漁船がスペインのカナリア州グランカナリア島のラスパルマス港で水揚げしたメバチ(日本産マグロ、2025年4月4日記事参照)を使用し、粉末みそにトリュフをブレンドしたスパイスを添えて提供した。試食した来場者からは、「トンカツは食べたことはあるが、マグロカツは初めてで、マグロの新しい料理法を知った」「みそトリュフの香りに感動した。他の料理にも合わせてみたい」などのコメントが寄せられた。このほか、バルセロナで製造されている豆腐や茨城県産米なども紹介し、日本食材の認知拡大と理解促進につながる機会となった。

写真 ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

写真 昆布だしのプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

昆布だしのプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

(堀之内貴治)

(スペイン、日本)

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