許認可取得期間の短縮を図る枠組み法が公布
(チリ)
調査部米州課
2025年10月01日
チリで、分野別許可に関する枠組み法(法第21,770号)が9月29日に官報公示された。同法は行政機関が発給する許認可の取得プロセスを明確にし、許可取得のハードルを下げることで、国内外の投資を促進するとともに、経済成長を促すことを目的としている。
具体的には、これまで順を追って取得する必要があった許可を同時並行的に申請することができるようになる。また、低リスクのプロジェクトは事前の許可なしに通知(Aviso)や宣誓供述書(Declaración Jurada)を通じて実施できるようになる技術的代替手段(Técnicas Habilitantes Alternativas)の導入などを規定している。行政が期限内に対応しない場合は、「行政の沈黙(Silencio Administrativo)」を理由に、自動的に許可を取得できるようにもなる。そのほか、許認可の申請や進捗状況を一元管理するオンラインシステム(SUPER:Sistema de Información Unificado de Permisos Sectoriales)や、制度運用を監督する専門機関の分野別認可・投資局(Oficina de Autorizaciones Sectoriales e Inversión)も稼働する予定だ。
今後40以上の法律を改正し、細則や具体的な運用を定め、どういった許認可が対象となるのかを決定する。本格運用開始は2026年中の見込みで、政府としては政権交代前(2026年3月まで)に実行したい意向だ。経済・振興・観光省は今回の許認可制度の改革により、30~70%許可取得にかかる時間が短縮されるだろうと試算している。なお、公募を経て閣僚委員会が「戦略的」と認定したプロジェクトについては、手続き期間を半減させるとしている。
(佐藤輝美)
(チリ)
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