湖北省武漢市、水素エネルギー産業発展の3年プラン発表
(中国)
武漢発
2025年10月07日
中国湖北省武漢市は9月29日、「武漢市水素エネルギー産業発展3年行動プラン(2025~2027年)」を発表した。7月4日~8月8日に同プランのパブリックコメント募集し、その結果を反映したものだ(2025年7月10日記事参照)。同プランの実施時期は10月25日から2027年12月31日までとなっている。
パブコメ版との主な違いは次のとおり(湖北省のプラン、武漢市のパブコメ版との主な数量目標の比較は添付資料表参照)。
- 2027年までの武漢市の水素エネルギー産業規模の目標を、パブコメ版の600億元(約1兆2,600億円、1元=約21円)から200億元に引き下げ。
- 産業規模600億元の内訳では、水素生産100億元、水素エネルギー応用設備と部品が400億元としていたが、水素生産の金額目標を削除し、水素自動車、応用設備と部品を120億元に引き下げ。
- 交通領域で実証的な導入の拡大のため、大型商用車、コールドチェーン物流、バス、通勤車両、都市内配送車両、公園緑化作業車両、土砂運搬車両などの分野で、水素燃料電池に加え、メタノール水素自動車の利用を推進。
- 省内の高速道路の通行料の全額還付政策を支持するという記載は、省内の高速道路の通行料支援政策の実施に修正。
行動プランの対象にメタノール水素自動車を追加した点について、水素をはじめ、中国の新エネルギー産業の動向を調査するインテグラルの中西豪総経理は「メタノール水素自動車は、主に吉利自動車が開発しているメタノールを水素化して内燃機関で駆動するタイプの自動車で、主に山西省など石炭資源が豊富な地域で数千台程度普及している。武漢市は交通の要衝、物流ハブということもあり、長距離でクリーン走行できるメタノール水素自動車の特性を活用するという観点から、追加したのではないか」との見解を示した。
(高橋大輔)
(中国)
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