EUの2024年の自動車輸入台数に占めるEVシェアは微減、BEVの半数以上は中国から

(EU、中国)

ブリュッセル発

2025年10月24日

EU統計局(ユーロスタット)は10月6日、EUが2024年に域外から輸入した自動車に占める電気自動車(EV、注)のシェアは、台数ベースで43%(前年比1ポイント減)だったと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。内訳をみると、ハイブリッド車(HEV)は21%、バッテリー式電気自動車(BEV)は16%、プラグインハイブリッド車(PHEV)は6%となった。EVの輸入を金額ベースでみると、前年比12.2%減の424億ユーロで、うちHEVは184億ユーロ(前年比13.1%増)、BEVは152億ユーロ(32.9%減)、PHEVは88億ユーロ(6.1%減)だった(添付資料表1参照)。BEVの輸入元国をみると、中国がトップで全体の55%を占め、韓国(16%)、日本と米国(ともに9%)が続いた。

2024年にEUが輸出した自動車のうちEVは、台数ベースで28%を占め、前年比1ポイント増だった。内訳は、BEVが12%、HEVは11%、PHEVは5%となった。輸出金額ベースでは、前年比8.3%減の573億ユーロで、うちBEVは263億ユーロ(11.0%減)、HEVが189億ユーロ(16.9%減)、PHEVが121億ユーロ(18.4%増)だった(添付資料表2参照)。BEVの輸出先国の上位3カ国は、英国(31%)、米国(23%)、ノルウェー(11%)となった。

2024年の域内生産をみると、自動車総生産台数1,210万台のうち、EVは前年の380万台から微増の390万台、うちBEVとHEVはそれぞれ13%、PHEVが6%を占めた。金額ベースでは、前年の3,370億ユーロを下回り3,220億ユーロ、うちBEVは570億ユーロ(前年660億ユーロ)で全体の18%を占め、HEVは360億ユーロ(同340億ユーロ)で11%、PHEVは290億ユーロ(同240億ユーロ)で9%だった。

EUは、2024年に中国製のBEVに対する相殺関税措置を発動(2024年11月6日記事参照)。これらの情勢を踏まえ、欧州委は、EV分野での新たな施策や新車の乗用車・小型商用車(バン)の二酸化炭素(CO2)排出基準に係る規則の見直しを予定(2025年9月16日記事参照)している。

(注)本稿でEVは、BEVとPHEV、HEVを指す。

(大中登紀子)

(EU、中国)

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