Brasil Game Show 2025で日本ゲームが人気を博す
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年10月23日
南米最大級のゲームイベント「Brasil Game Show 2025(BGS2025)」が10月9日から12日にかけて、ブラジル・サンパウロ市のアニェンビで開催された。同イベントには、例年30万人以上が来場し、出展者には、任天堂、ポケモン、セガ、コナミ、ホヨバース(HoYoverse)、Supercellといった世界的なゲーム企業が顔をそろえる(注1)。10月9日はVIP限定、10月10日から12日にかけては、一般来場者向けに開催された。ジェトロはSteam事業「MADE IN JAPAN COLLECTION」の一環として出展し、日本のインディーゲームを試遊展示した(注2)。
ジェトロのブースには連日200人以上が訪れ、出展企業が制作するゲームの音楽やデザインに対し高評価が寄せられた。来場者の中には「JAPAN」の文字を見て興味を持ち、試遊に訪れる人や、日本のゲームの魅力を語りかけてくる人も多く、日本コンテンツへの評価の高さがうかがえた。ジェトロブースでは、現地のゲーム企業や海賊版製品に詳しいコンテンツ専門の法律関係者とのネットワーキング、商談も実施した。
ジェトロブースで試遊する来場者の様子(ともにジェトロ撮影)
会場には日本の著名なゲームクリエーターである小島秀夫氏も登壇し、登壇時には、「小島コール」が響きわたるほどの盛況ぶりだった。同氏のプロダクションである、コジマプロダクションと本イベントのコラボレーショングッズは会期前半で売り切れが続出し、人気の高さがうかがえた。
小島氏の講演の様子(ジェトロ撮影)
本イベントの公式ストアの様子(ジェトロ撮影)
また、今回出展企業である、任天堂やポケモン、セガのブースには長蛇の列ができ、にぎわいを見せるなど、日本ゲームへの関心の高さが際立った。
近年、ブラジルではゲーム開発事業者が急増している。2023年には1,042社と2018年比で2.8倍に拡大した。新型コロナ禍以降、世界中でゲームユーザーが増加する中、ブラジルでも国内のゲーム開発企業の活動が活発化している。ブラジルのゲーム市場は2024年時点で約27億ドル規模に達しており、2027年には39億ドルに拡大する見通し(注3)。年平均成長率は10.8%と高い水準を維持している。また、ブラジル国内では特に、スマートフォンを中心としたモバイルゲームの普及や、基本プレー無料(F2P)モデルの浸透、eスポーツ関連市場の拡大などが成長を牽引しており、今後も多様な収益モデルや技術革新を背景に、さらなる市場拡大が期待されている。
(注1)HoYoverseは、ゲーム開発を軸にアニメや音楽、関連イベントなどを行う中国企業。同社が開発したアクション・ロールプレイングゲーム「原神」は、若者を中心に世界的な人気を博している。Supercellは、フィンランドで設立されたモバイルゲーム開発会社。オンラインアクションゲーム「Brawl Stars」を開発し、世界的人気を集めている。
(注2)インディーゲームとは、独立した開発者や小規模なチームによって制作されるゲームのこと。ゲーム制作にあたり、独自のアイデアやクリエーティビティーが反映されることが多く、プレーヤーに新しい体験を提供できるとして人気を博している。
(注3)詳細は「2025年度ブラジルのゲーム市場レポート」(2.8MB)参照。
(榊原悠生)
(ブラジル)
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