総合食品見本市「アヌーガ」、ドイツで開催、日本食の関心高まる

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2025年10月24日

ドイツ西部ケルンで10月4~8日、欧州最大級の総合食品見本市「アヌーガ」が開催された。主催者によると、過去最高の110カ国・地域から8,000社が出展し、190以上の国・地域から約14万5,000人が来場した。

今回の主なテーマは「持続可能な成長」で、世界の食品業界のイノベーションが焦点の1つだった。「アヌーガ・テイスト・イノベーション・ショー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、1,900件以上の応募の中から62の製品が選抜・紹介され、タイのココナッツを原料とするビーガン対応で、遺伝子組み換え作物(GMO)とグルテンも含まない麺類や、ウクライナのフリーズドライのアイスクリームなど10商品が受賞した。また、2025年のパートナー国の韓国は「伝統と革新の融合」をテーマに、キムチやコチュジャンといった伝統的な発酵食品から近代的なフードテックまで約100社が出展した。その他、オーガニックもテーマとして取り上げられていた。

写真 イノベーティブな商品を展示(Koelnmesse/Anuga/Oliver Wachenfeld撮影)

イノベーティブな商品を展示(Koelnmesse/Anuga/Oliver Wachenfeld撮影)

ジェトロが設置したジャパンパビリオン内には計60社・団体(添付資料参照)が出展し、しょうゆ、みそといった調味料のほか、煎餅、大福、焼き芋といった菓子類や、和牛、抹茶、冷凍ウナギ、のり、ニンニク、カレーなど多様な商品を出品した。これらの商品は事前にJapan Street(注)に登録し、Japan Streetに登録済みのバイヤーにジェトロが積極的に商談カタログを案内した結果、ジャパンパビリオンには欧州全土から日系のみならず、現地系やアジア系のバイヤーが訪れ、多様な品目で多くの商談が行われた。

今回初出展の九鬼産業(黒ごまラテなどを出品)は「最初は黒ごまの飲料になじみがないために、こわごわと試飲のカップを手に取るが、口にすると表情がパッと明るくなるバイヤーを多く目にしたのが印象的だった。バイヤーだけでなく、他の出展者からも使用したいという話があったことも併せ、商品への自信を深められた」と成果を語った。

他の出展者からは、現地で販売網を持つディストリビューターと関係を構築することや、国際的な認証を取得することなどの重要性を指摘する声もあった。抹茶などのラングドシャを出品したマルトウ物産販売代表の東田晃次氏は、前回参加した時に課題だったEUの食品規制への対応で、乳成分や卵など全ての原材料で基準をクリアした結果、今回は多くの商談が成立したと話した。

次回のアヌーガは、2027年10月9日から13日に開催される予定だ。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(注)ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のBtoBのオンラインカタログサイト。

(牧浩大、小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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