日本酒試飲イベント「バンクーバー酒フェス’25」開催
(カナダ)
トロント発
2025年10月20日
カナダのブリティッシュ・コロンビア州日本酒協会(Sake Association of British Columbia:SABC)主催の「バンクーバー酒フェス’25」が10月9日、バンクーバー市内で開催された。
同イベントは、日本酒文化の普及とカナダ西部での日本酒市場の拡大を目的として企画されたもので、飲食業界関係者向けの「トレードセッション」と、一般消費者向けの「試飲会」の2部構成で実施された。会場では日本酒を中心に、焼酎、梅酒、クラフトビールなど150種類以上の商品が提供され、来場者の関心を集めた。日本、カナダ、米国から50以上の酒造・輸入業者、レストラン関係者が出展し、登録参加者数は合計400人に達した。会場は日本酒ファンでにぎわいを見せ、日本酒のさらなる普及への貢献が期待できるイベントとなった。
一般向けの試飲会(ジェトロ撮影)
ジェトロは飲食業界関係者向けの「トレードセッション」で、酒類の輸入業者を対象に、会場内にブースを設置した。海外バイヤー専用のオンラインカタログ「Japan Street」を紹介し、日本酒や酒器などの日本産品の調達に関する情報を提供した。これによって日本の事業者によるカナダ市場への展開支援を図るとともに、販路拡大に向けた取り組みを後押しした。
出展者のブース(ジェトロ撮影)
一般消費者向けの「試飲会」には、日本の酒類や日本食文化に関心の高い一般消費者が来場した。会場では日本産水産物や和牛を使った「日本酒とのペアリングを楽しめる」フィンガーフードなどが提供された。来場者の中には、前年に続いての参加者や日常的に日本酒をたしなむ愛好家の姿も見られ、バンクーバーでの日本酒の浸透がうかがえた。出展者によると、日本酒への消費者のニーズは多様化しており、最近は香りを楽しめるタイプや、食事とのペアリングに適したタイプなど、ワインのような嗜好(しこう)性を持つ日本酒が人気を集めているという。
試食のブース(ジェトロ撮影)
日本酒の輸入でブリティッシュ・コロンビア州は、カナダ全体の日本酒輸入量の4割以上を占めており、今後もカナダでの日本酒振興で同州が重要な市場となることが期待できる。
(井口まゆ子、豊住友子)
(カナダ)
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