IITボンベイ校で学生向け日本企業合同説明会、約1,000人の学生が参加登録

(インド)

ムンバイ発

2025年10月07日

インド西部マハーラーシュトラ(MH)州ムンバイのインド工科大学ボンベイ校(IITB)で9月27日、IITBが主催し、IITBリサーチパークとジェトロが協力した日本企業の合同企業説明会「ジョイント・キャリア・フェア」が開催された。

2024年に続く2回目で、今回はIITBリサーチパークで実施され、事前登録した学生は約1,000人と、前年実績(約600人)を大きく上回った。会場には日本企業6社が出展し、電機、情報通信技術(ICT)、エネルギーなど多様な業種の説明が行われた。学生は各企業のブースを訪問し、業務内容やキャリアパスについて説明を受け、活発な質疑応答が交わされた。

写真 合同企業説明会の会場(ジェトロ撮影)

合同企業説明会の会場(ジェトロ撮影)

参加した日本企業の担当者からは、「優秀で前向きな学生が多く、他校と比べても鋭い質問が多く寄せられた。今後も大学との連携を強化していきたい」との声が上がった。また、「日本の本社で、インドを含めた海外の優秀な人材を継続的に採用・育成していくことを検討している。今回のイベントで得られた知見を持ち帰り、新たな人事システムの構築に生かしていきたい」といった意欲的なコメントもあった。

一方で、インドの学生の日本企業に対する認知度は必ずしも高いわけではない。今回のイベントを通じて企業をアピールし、学生に直接アプローチすることは、今後の採用活動に向けて重要なステップとなる。実際、学生の中にはアニメなど日本文化の影響から、「日本企業で働きたい」「日本で暮らしてみたい」と考える層も一定程度存在している。こうした関心を採用につなげるためにも、企業の積極的な発信が求められている。

世界的に優秀な人材の獲得競争が激しさを増す中、日本企業にとって、インドのトップ人材との接点づくりは重要性を増している。IITBはインド国内大学ランキング(NIRF)で総合3位を誇る名門大学だ。広大なポワイキャンパス内で学生が寮生活を送りながら、学業や研究に専念している。同イベントは、日本企業がインドの優秀な人材と交流する貴重な機会として定着しつつある。

(篠田正大)

(インド)

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