中東で映画「ちびまる子ちゃん」のアラビア語吹替版が上映開始

(アラブ首長国連邦、カタール、湾岸協力会議(GCC)、日本、中東)

ドバイ発

2025年10月20日

10月15日付アラブニュースは、カタールに拠点を置くQToon Production and Distributionが翌16日からアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアなどの湾岸協力会議(GCC)諸国や、ヨルダン、パレスチナ、イラクの映画館で、「劇場用映画ちびまる子ちゃん 大野君と杉山君」をアラビア語の吹替版で上映すると報道した。配給はドバイに拠点を置くエンパイア・インターナショナルが行う。

「ちびまる子ちゃん」は1990年代前半に中東で字幕付きでテレビ放映が始まり、高い人気を博した。2021年のセカンドシーズンからは、アラビア語に吹替えられたことでさらに人気が高まった。今回は初のアラビア語版の映画上映となる。ヨルダン出身の女優で過去に日本アニメ「小公女セーラ」の主人公セーラ役の吹き替えで広く知られているイマン・ハイール氏など、高い評価を得ている有名声優をそろえた。声優は吹替だけではなく、主題歌もアラビア語で担当した。

アラブニュースのアッバス・アミン記者によると、中東で「ちびまる子ちゃん」人気の理由は、1家族のいろいろな物語や日常生活が中東の人々にも親近感があることや、子供の間の友情や彼らの発するジョークやコメディー的なストーリーが高く評価されていると分析している。

日本のアニメ映画は通常は英語の吹き替えが多いが、近年はアラビア語吹き替えも増えており、これまでに「火垂るの墓」(ほたるのはか)や「名探偵コナン」「ドラゴンボール」の一部作品が上映されている。アミン氏によると、今回の映画上映は「ちびまる子ちゃん」セカンドシーズンの人気声優が再集結したことに加え、GCC諸国やヨルダン、パレスチナ、イラクで同時公開されるという点で、中東で非常に注目されているという。

(吉村優美子)

(アラブ首長国連邦、カタール、湾岸協力会議(GCC)、日本、中東)

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