北海道がボストンで投資誘致セミナーを開催、投資環境とインセンティブをPR
(米国、日本)
ニューヨーク発
2025年10月27日
北海道庁は10月22日、米国マサチューセッツ州ボストンで、在ボストン日本総領事館およびジェトロ北海道の後援のもと、「HOKKAIDO STARTUP SEMINAR」を開催した。本イベントは、北海道と同州の姉妹都市35周年記念と、同州のスタートアップへの北海道の投資環境のPRが目的だ。
セミナーの冒頭、北海道の鈴木直道知事からのメッセージとして、北海道のユニークな文化、豊富な水資源や再生可能エネルギー、データセンターや半導体産業の立地優位性などを、マサチューセッツ州のテックハブに役立ててもらいたいとの期待の声が伝えられた。次いで、髙橋誠一郎駐ボストン総領事は、「青年よ、大志を抱け」の言葉を遺したウィリアム・スミス・クラーク博士と北海道大学の歴史的なつながりを紹介し、現在も同州と北海道の交流は活発だと述べた。さらに、マサチューセッツ州の経済開発を担当するジーバン・ラマプリヤ氏は、日本は同州にとって7位の貿易相手国であり、重要なパートナーだとした。
講演では、北海道庁の小林靖幸総合政策部国際局長が、北海道の投資環境の優位性について説明した。北海道は、日本全体でみると、面積が22%(国内1位)、農業生産額が14.1%(1位)、漁業生産額が15.3%(1位)を占める、一次産業を中心とした豊かな土地だ。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)を推進し、再生可能エネルギーでは風力、太陽光、小型水力、地熱などの多様な発電方式を有し、特に洋上風力発電については日本政府も重点的に支援している。2024年6月には「GX金融・資産運用特区」に選定され、今後、40兆円超もの大規模な投資を集めることが期待されている。さらに、外資系企業誘致に向け、(1)規制緩和、(2)税制優遇、(3)補助金などのインセンティブを設けており、半導体産業やスマート農業、宇宙、GXといった領域での誘致に注力している。
セミナーにおける小林国際局長の講演の様子(ジェトロ撮影、10月22日)
続いて、北海道の産官学連携のスタートアップ支援に取り組むスタートアップ北海道の松浦わか子氏が、北海道のエコシステム成長の歴史や外資系企業の誘致に関する具体的な取り組みを説明した。加えて、2026年2月22~26日に札幌で開催するスタートアップ向けイベント「SHAKE H
」を紹介し、米国スタートアップの来場を促した。SHAKE Hでは、パネルディスカッション、ワークショップ、ピッチバトルなどが行われ、世界中からスタートアップが参加する見通しだ。
最先端のロジック半導体の国産化を目指す、ラピダスの投資で注目を集める北海道。今後、日本における投資先の候補として米国のスタートアップを含めた外国企業からのさらなる注目が集まることが期待される。
(遠藤壮一郎)
(米国、日本)
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