イスラエル、ハマスの「停戦違反」への報復後に停戦履行を再開
(イスラエル、パレスチナ、米国)
テルアビブ発
2025年10月30日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は10月28日、安全保障に関する協議を経て、イスラエル国防軍(IDF)に対し、パレスチナ自治区ガザ地区への即時かつ強力な攻撃を実施するよう指示
した。イスラエル首相府
によると、ハマスが前日の27日に返還した遺体は、IDFが約2年前に軍事作戦でガザ地区から回収していた遺体の一部であることが判明した。さらに、IDFの予備兵が28日にパレスチナ武装勢力による攻撃で死亡した(「タイムズ・オブ・イスラエル」紙10月29日付)。これらを受け、イスラエル側は「ハマスによる(停戦)合意の明白な違反」とし、対応方針を協議していた。
IDF
によると、IDFとイスラエル総保安庁(ISA)はガザ地区内で、ハマス関係者、監視所、ロケット弾や迫撃砲の発射台、地下通路など複数のテロ関連施設を攻撃した。IDFはX(旧Twitter)で「政治指導部の指示に基づき、数十のテロ目標とテロリストを標的とした一連の空爆を実施した後、停戦合意の再履行を開始した」と発表した。さらに、「IDFは停戦合意を堅持しつつ、今後いかなる違反行為に対しても、断固として対応する」との方針を示した。
停戦の再履行に関するイスラエル国防軍(IDF)のコメント〔X(旧Twitter)のIDF公式アカウントから〕
米国のドナルド・トランプ大統領は10月29日、大統領専用機内で記者団に対し、「イスラエル兵士が殺害された。だからイスラエルは反撃した。そして反撃すべきだ」と述べ、イスラエルの軍事行動を支持する姿勢を示した。また、「ハマスは中東和平のごくわずかな存在にすぎない。彼らが約束どおり行動すれば幸せになれるが、そうでなければ排除される」と語り、停戦合意の履行を強く求めた(「タイムズ・オブ・イスラエル」紙10月29日付)。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国)
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