日本産米の魅力発信・普及を強化、銘柄米やブレンド米、パックご飯、アルファ化米を用いた公開講座

(タイ、日本)

バンコク発

2025年10月29日

「タイ農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」を運営するジェトロと在タイ日本大使館は108日、地場のザ・フードスクール・バンコク(TFS)と連携し、「2025年日本産食品の公開教育プログラム」の2回目として、日本産米の調理方法などに関する講座を同スクール内や、オンラインで実施した。この講座では、全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会が推薦した「五ツ星お米マイスター」の片山真一講師を日本から招聘(しょうへい)した。

オープニングセレモニーで、ジェトロ・バンコク事務所の山崎牧子次長は、同講座による日本産米のさらなる普及への期待を述べた。片山講師は「料理によって、日本産米が合うものと、タイ米が合うものがある。料理から選択されるべきだ」と強調した。同事務所の森下卓哉次長はクロージングセレモニーで「日本産米のおいしさの秘密は、徹底した品質管理により、安定した品質を供給できることだ。炊き方は日本産米とタイ米とでは大きく違い、味を決める重要な要素になる。今後、家庭や店舗でよりおいしく炊き上げてもらえる機会となるのではないか」と述べ、タイ市場で日本産米のポテンシャルへの期待を表明した。

写真 オープニングセレモニーで話すジェトロ・バンコク事務所の山崎次長(ジェトロ撮影)

オープニングセレモニーで話すジェトロ・バンコク事務所の山崎次長(ジェトロ撮影)

写真 クロージングセレモニーで右から、片山講師、森下次長、プンスントーン教務部長、吉田シェフ(ジェトロ撮影)

クロージングセレモニーで右から、片山講師、森下次長、プンスントーン教務部長、吉田シェフ(ジェトロ撮影)

写真 受講者を交えた集合写真(ジェトロ撮影)

受講者を交えた集合写真(ジェトロ撮影)

日本産米の特徴説明、とぎ方や炊き方の実演など実施

片山講師は日本産米の特徴を説明し、各料理に適した米も紹介した。炊き方については、日本産米特有の粘りや食感を出すため、繊細な火加減や蒸らし、ほぐし工程の重要性を説明しった。また、長期保存や手軽な食事など、各シーンに適したアルファ化米やパックご飯についても、日本の技術があってこそできるものと解説した。

実演や食べ比べでは、洗米や米の浸水時間について説明した上で、鍋での湯炊き法によって炊飯した。炊飯後は食べ比べを行い、ほぐしの重要性について紹介した。タイで購入可能な銘柄米やブレンド米3種を使用して食べ比べをすることにより、風味の違いだけでなく、料理による選び方のコツも説明した。

写真 片山講師による講座(ジェトロ撮影)

片山講師による講座(ジェトロ撮影)

日本産米使用の料理講座で実演

TFSの吉田和弘シェフはコシヒカリを使用したおにぎりや、アルファ化米を使用した「おにぎらず」、パックご飯使用の焼きおにぎりの茶漬けを調理した。コシヒカリのおにぎりの具には、日本産めんたいこや、過去の同じ講座で扱った日本産の燻製(くんせい)サーモンも使用した。

写真 吉田シェフによる調理実習(ジェトロ撮影)

吉田シェフによる調理実習(ジェトロ撮影)

「日本産米のJapan Qualityとタイにおける普及可能性」というテーマで、パネルディスカッションも行い、片山講師と吉田シェフ、タイのインフルエンサーのピム・カジョーン氏が参加した。片山講師は日本産米の魅力をあらためて紹介し、タイ市場で日本産米のさらなる普及展開の可能性がうかがえた。

写真 パネルディスカッションで左が片山講師、右は吉田シェフ(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションで左が片山講師、右は吉田シェフ(ジェトロ撮影)

(忠田吉弘)

(タイ、日本)

ビジネス短信 679b872da616b581