インドネシア水産物を日本市場へ、大阪・関西万博で水産物関連フォーラム開催

(日本、インドネシア)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年10月17日

インドネシア食料担当調整省は101日、日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA)の改正(2024年8月20日記事参照)を契機に、日本市場への輸出拡大を図る目的で「インドネシア水産物の日本市場進出フォーラム」を大阪・関西万博のインドネシア館で開催した。

インドネシアは世界最大の群島国家であり、世界有数の排他的経済水域(EEZ)と豊かな海洋資源を有する。同省によると、インドネシアの2023年の漁業生産量は天然漁業で618万トン(世界2位)、養殖業で1,791万トン(同2位)だった。主な天然漁業品目はスマ、カツオ、マグロ、サバなどで、養殖ではティラピア、ナマズ、エビ、海藻が中心だ。ダンディ・サトリア・イスワラ海洋資源調整担当次官は「水産物の輸出は安定して成長を続けており、日本は主な輸出先の1つだ。日本は世界有数の水産物輸入国であるため、インドネシアにとって極めて重要な市場。改正EPAではマグロ缶やカツオ缶、かつお節などの関税が撤廃されるため、輸出拡大の好機になる。課題となっている冷蔵・冷凍物流や認証制度への対応についても今後進めていく予定だ」と述べた。

インドネシア海洋・水産省 海洋・水産製品競争力強化総局 マーケティング部長のエルウィン・ドウィヤナ氏は、日本市場の水産物消費における構造変化について言及した。同氏は、日本国内漁業生産高の減少により輸入依存度が高まる中、消費者のライフスタイルの変化に伴い、調理の手間が少ない水産加工品への需要が拡大傾向にあると指摘。特に都市部では、簡便性・安全性・品質表示への関心が高まっており、冷凍食品や缶詰などの加工品が選ばれやすいと語った。

写真 フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

フォーラムでは、大阪・関西万博を通じたインドネシア産品の認知度向上は、同国産水産物の日本市場での販路拡大にとって好機となる一方、日本市場の基準に対応した商品開発と流通体制の整備が不可欠という課題認識が両国参加者に共有された。

(小池裕之)

(日本、インドネシア)

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