ウズベキスタン、計画中の原子力発電所の規模拡大へ

(ウズベキスタン、ロシア)

タシケント発

2025年10月07日

ウズベキスタン原子力エネルギー発展庁(ウズアトム)付属原子力発電所建設局は9月26日、ロシア国営原子力会社ロスアトム子会社と、ウズベキスタンでの原子力発電所建設プロジェクト実施の基本条件に関する追加協定を締結した。ウズベキスタン初の原子力発電所建設計画(2024年5月29日記事参照)の規模を拡大する。同協定は2025年6月20日付の協定に対する追加協定で、締結はモスクワで開催された国際フォーラム「世界原子力週間」で行われた。

出力は当初予定の330メガワット(MW、55MWの小規模ユニット6基)から総出力2,110MWに拡大する。これは、1,000MWの原子炉2基で構成する大型原子力発電所と、55MWの原子炉2基で構成する小型原子力発電所を含む。小型原子力発電所の第1号機は2029年、第2号機はその半年後に稼働開始を予定している。大型原子力発電所の原子炉は2033年と2035年の稼働を見込んでいる。

ロスアトムは核燃料供給に関する協力にも関心を示した。同じく締結された核燃料供給の基本条件に関する協定では、ウズベキスタンにおけるロシアの原子炉向け核燃料や、予備部品、据え付けや制御機器の供給に関する合意事項を定めている。

ウズベキスタン政府の狙いはクリーンエネルギーの推進だ。ジャムシド・ホジャエフ副首相によると、原子力発電所の稼働も考慮に入れ、2030年までにクリーンエネルギーの発電割合は40%を超える見通しだ。ウズベキスタン政府は、原子力発電所の建設が発電量の増加だけでなく、長期的な地域の工業化と原子力エネルギー研究を推進することを期待している(「ウズベキスタン・ニュース」9月28日)。

ウズベキスタンとロスアトムの協力は自動車分野にも広がる。自動車メーカーのアサカ・モータース・インターナショナルは9月25日、ロスアトムとウズベキスタンでのリチウムイオン電池や、エネルギー貯蔵システムの生産に関する協力協定を締結した。ロスアトムは2023年に韓国のリチウムイオン電池メーカーのエネルテックを買収し(「コメルサント」2023年5月15日)、非原子力事業への展開も進めている。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、ロシア)

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