オンライン配車規制案が可決、ライセンス制度を導入

(香港)

香港発

2025年10月28日

香港立法会(日本の国会に相当)は10月15日、オンライン配車サービスに規制とライセンス制度を導入する「道路交通(ライドヘイリングサービス)条例改正案」を可決した。本改正により、配車サービス(以下、サービス)を提供するプラットフォーム、車両、および運転手はそれぞれライセンスの取得が義務付けられ、ライセンスを持つ者のみがサービスの提供を認められる。

ライセンス取得の要件に関して、プラットフォーム事業者は、サービスの適切な運営維持と車両・運転手への適正確認(デューディリジェンス)の実施が求められる。運転手は21歳以上で、過去5年間に重大な交通違反歴がないことに加え、関連試験に合格し、指定講習を修了しているなどの要件を満たす必要がある。さらに、車両は申請時点で年式が12年未満のものに限定され、第三者賠償責任保険への加入も義務付けられている。また、登録車両の貸与を防ぐため、各車両は登録所有者本人のみが運転可能とされている。無許可でのサービス提供は、最低5,001香港ドル(約10万円、1香港ドル=約20円)~最大2万5,000香港ドルの罰金に加え、最低12カ月から最長3年の運転免許停止処分と、さらに最長6カ月または再犯の場合は最長12カ月の拘禁刑が科される場合がある。ライセンスの発行上限数は定められていない。

立法会金融業界委員会の陳振英(ロンニック・チャン)委員長は、ライセンスの発行上限数を設けない点について、「タクシーは常に街中にいるが、配車サービスの車両の場合、終日サービスを提供する車両もあれば、特定の時間帯や日のみの提供にとどまる車両もある」と指摘した(「RTHK」10月16日)。

改正案は10月24日に官報に掲載され、2026年半ばまでに関連する細則について立法手続きの完了を予定。同年第4四半期にライセンスを取得した配車サービスプラットフォームの運用開始を見込んでいる。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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