大阪・関西万博を機にスロバキアのミッション団が訪日、大阪でビジネスセミナー開催
(日本、スロバキア)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年10月07日
スロバキア投資・貿易開発庁(SARIO)は10月3日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を機にスロバキアのビジネスミッション団が訪日した機会を捉え、ジェトロと共催で、大阪でビジネスセミナーを開催した。SARIOによる万博会期中の訪日ミッション団派遣は2025年4月に続いて2回目だ。
スロバキアは中・東欧に位置する人口約540万人の国で、主要産業は自動車、機械、航空・宇宙、電気・電子部品、化学品・製薬、情報通信技術(ICT)などだ。研究開発を積極的に行っており、インダストリー4.0分野(注1)にも力を入れている。ジェトロの庄秀輝大阪本部長は「スロバキアへの進出日系企業数は約60社、うち製造業は自動車や電機を中心に20社に上っており、成長が期待されている国の1つだ」と指摘し、その上で、スロバキアはイノベーションに力を入れており、航空・宇宙分野や半導体分野の現地企業が日本企業との協業に関心を示していると述べた。
SARIOの国家事業部門プロジェクトマネジャーのミハル・ブケディッチ氏は今回の訪日の理由と背景について、「日本とのビジネス連携を望むスロバキア企業が多かったため、大阪・関西万博の会期中、かつ機械製造分野の見本市『第28回ものづくりワールド大阪』の開催期間に合わせて、機械・ロボティクス分野の企業を中心とするビジネスミッション団を派遣した」と語った。SARIOディレクターのガブリエル・ゴットガイスル氏は「スロバキアは日本と長年にわたって協力関係があるが、新しい分野のコネクションを構築したい」と意気込みを述べた。
SARIOディレクターのゴットガイスル氏のあいさつ(ジェトロ撮影)
スロバキア企業によるプレゼンテーションも行われた。ICT、アプリ開発、AI・自動化、サイバーセキュリティー、AR・VR(注2)、脱炭素、産業用ロボット、溶接技術、建築エンジニアリングなどの分野の企業11社が登壇し、自社紹介を行ったほか、日本企業との交流や協業に向けた期待を語った。
スロバキア企業によるプレゼンテーション(ジェトロ撮影)
このほか、ジェトロと大阪商工会議所の担当者が各団体の取り組みやサービスについて説明し、セミナー閉会後のネットワーキング交流会では、活発な情報交換が行われた。
スロバキア訪日ミッション団の集合写真(ジェトロ撮影)
(注1)モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)を活用して、製造プロセスをデジタル化・自動化することを目指す技術コンセプト。
(注2)AR(Augmented Reality:拡張現実):現実の世界に画像や音声などのデジタル情報を重ねて表示する技術。VR(Virtual Reality:仮想現実):仮想の世界を作り出し、その中に入り込んで体験する技術。いずれもICTを活用した技術。
(齋藤寛)
(日本、スロバキア)
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