JS-SEZへのシンガポールからの投資総額、55億Sドル超
(シンガポール、マレーシア)
シンガポール発
2025年10月20日
シンガポールのガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は10月14日、マレーシア南部ジョホール州で開発が進んでいるジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)について、共同開発する覚書を2024年1月に締結して以降、在シンガポール企業からの投資額(コミットメントベース)が55億シンガポール・ドル(約6,435億円、Sドル、1Sドル=約117円)を超えたと述べた。シンガポールで開催した第2回JS-SEZ共同投資フォーラムでの演説で明らかにした。
両国は2024年1月にJS-SEZを共同開発する覚書を締結後、2025年1月に同特区設置で最終合意していた(2024年1月15日、2025年1月9日記事参照)。オン・ハフィズ・ガジ・ジョホール州首相は同日のフォーラムで「ジョホール州への2025年上半期(1~6月)の投資認可額が560億リンギ(約2兆160億円、1リンギ=約36円、内資・外資を含む)に上り、その大半がJS-SEZへの投資だった」と語った。また、2025年通年では投資認可額が1,000億リンギに達するとの見通しを示した。
シンガポール政府はJS-SEZ設置に伴い、貿易産業省、経済開発庁(EDB)、企業庁(エンタープライズシンガポール)で構成する「共同JS-SEZプロジェクト・オフィス」を設置し、マレーシア当局と規制整備などの調整を行うほか、シンガポール企業の進出支援にも取り組んでいる。
JS-SEZの製造業ライセンス交付期間を短縮、7日間で交付へ
また、マレーシアのザフルル・アジズ投資貿易産業相は同日のフォーラムで、JS-SEZへの戦略的な投資を促すため、全ての非センシティブ(non-sensitive)の製造業プロジェクトに対する製造業ライセンス(ML)を7営業日以内に交付すると発表した。ML取得に必要なジョホール州発行の「異議なし通知書(NOL)」も同様に、交付期間を7営業日以内とする方針を示した。ザフルル投資貿易産業相はこれらの認可を受けたプロジェクトについて、「ジョホール・スーパーレーンによる優遇措置の対象となる」と語り、中央政府と州政府の手続きを一元窓口で優先的に処理すると強調した。
第2回JS-SEZ共同投資フォーラムで演説するマレーシアのザフルル投資貿易産業相(ジェトロ撮影)
(本田智津絵)
(シンガポール、マレーシア)
ビジネス短信 49edae1848b461e2