湖南省が中国内初の新エネ車普及率に関する行動計画発表

(中国)

武漢発

2025年10月20日

中国の湖南省人民政府は10月11日、「湖南省新エネルギー車(NEV)普及率向上を加速させる行動計画(2025~2026年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の通知を発表した(文書は9月26日付)。同行動計画では、2025年末までに同省全体のNEV普及率と全国平均水準との差を6ポイント以内に縮め、2026年末までに省全体のNEV普及率を全国平均水準に到達させることを目標としている。NEV普及率向上に関する行動計画は全国的にも初の試みだ。

具体的な取り組みとしては、公共分野でのNEVへの代替を加速させるとして、都市部のバスやタクシー、郵便・宅配便、都市衛生、貨物配送などの分野でNEV導入を大きく推進する。新エネルギー貨物車の導入を強化するため、消費財の買い替え政策を通じて老朽貨物車の淘汰(とうた)を加速させるとともに、新エネルギー貨物車の高速道路料金を優遇するなどの措置を実施する。また、充電インフラ整備を農村地域でも加速させるとしている。

湖南省エネルギー局の湯吉鴻局長は、湖南省にはBYDや吉利汽車、広汽埃安新能源汽車(AION)、三一重工卡(建設機械メーカー・三一重工集団のグループ会社)など複数の自動車メーカーが立地し(工場を含む)、2024年の省全体のNEV生産台数は全国5位だったと述べた。しかし、同省のNEV普及率は全国平均を下回り、2024年は全国20位台にとどまった。生産・販売規模に見合わない現状を打開するため、同省は急速な追い上げを図る必要があると指摘した(「湖南日報」10月16日)。また、湖南省エネルギー局の上半期(1~6月)調査データによると、長沙市と岳陽市を除く12の市・州でNEV普及率が省平均を下回り、地域間発展の不均衡が見られた。NEV普及率向上を明確に掲げることで、同省の各市・州の迅速な行動を促すことができると述べた(同)。

(高橋大輔)

(中国)

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